研究課題/領域番号 |
20K22904
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
樋口 悠介 熊本大学, 病院, 助教 (80882141)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | HTLV-1 / HBZ / IL-10 / STAT3 / HTV-1 / STAT1 |
研究開始時の研究の概要 |
HTLV-1がコードするHTLV-1 bZIP factor (HBZ)は、HTLV-1関連脊髄症などの慢性炎症性疾患や成人T細胞白血病 (ATL) の発症に重要である。先行研究では、HBZが抑制性サイトカインIL-10の産生を促進すると共に、IL-10の下流にあるSTAT分子と核内で結合し、そのシグナル伝達経路を攪乱し、結果としてIL-10の刺激下にCD4陽性T細胞の増殖を促進することを見出した。本課題では、HBZがIL-10-JAK-STATシグナル経路に作用しCD4陽性T細胞の増殖を促進する分子機構を解析し、HTLV-1の発がん機構の解明、新規治療の開発に繋げる。
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研究成果の概要 |
ATL症例で高頻度に見られるSTAT3 D661Y変異はHBZとの結合をより強固なものとすることが判明した。SIEコンセンサス配列やTREコンセンサス配列を用いたルシフェラーゼレポーターアッセイより、HBZはSTAT3 D661Y変異体共存在下にJAK-STATシグナル経路のみならず、TGF-βシグナル経路も活性化することを見出した。 一方、IL-10ノックアウトマウスを用いた解析よりHBZトランスジェニック/IL-10ノックアウトマウスは低体重、活動性の低下、毛並みの乱れなどの痛みや病気の徴候を示し、早期に死亡に至ることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
STAT3の変異はHTLV-1キャリアやATL症例に多く見られる変異の1つである。本研究ではSTAT3変異のHBZ病原性発現における意義を解析した。本研究で得られた知見は、HTLV-1病原性発現機構の解明に寄与できるものと考える。また、HBZ病原性発現にIL-10が与える影響について、生体を用いた研究を行った。これらのマウスの解析を進めることで、ATLの発症予測やATLに対する新規治療法の開発に繋がるものと考える。
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