研究課題/領域番号 |
20K22918
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0903:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
生島 弘彬 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (80719154)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肺癌 / リキッドバイオプシー |
研究開始時の研究の概要 |
癌細胞集団は決して均一な性状の細胞の集団ではなく、heterogeneityを持った集団であり、それに対してintrinsicないしextrinsicな「選択圧」が加わることで、heterogenousな集団の構成がダイナミックに変化していることが明らかとなってきている。本研究は、過去の臨床知見から転移組織特異的な「選択圧」の存在を仮定し、その分子メカニズムの解明を進めると同時に、その選択を受けたsubpopulationの存在を早期から低侵襲で検出することを目指すものである。
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研究成果の概要 |
多発転移を有する肺癌患者において、組織毎に異なる選択圧が腫瘍細胞にかかる結果、組織毎に異なったheterogeneityが存在し、生体全体としてみるとそれが治療応答性に大きな影響を与えていることが、本研究者らのこれまでの研究で明らかとなっている。本研究では、肺癌細胞にheterogeneityを与える機序の一つとして上皮間葉転換に着目し、細胞レベルでの(すなわち、集団内の構成配分変化だけではない)上皮間葉転換の詳細を明らかにするために、単一細胞遺伝子発現解析の技術を用いて、上皮間葉転換の中間段階の実態を捉え、さらに機械学習を組み合わせることで、肺癌患者の予後予測へ結びつけるモデルを構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺癌の多発転移では転移組織毎にわずかに性状の異なった細胞集団が存在し、生体全体としてみるとそれが治療応答性に大きな影響を与えていることが、本研究者らのこれまでの研究で明らかとなっている。本研究では、正常肺組織からの単一細胞遺伝子発現データを用いて、上皮系・間葉系の発現プロファイルに対する機械学習を行い、それを肺癌組織の遺伝子発現データに適応することで、各肺癌組織が上皮間葉転換のどのような段階にあるかを判定するモデルを構築した。正常肺からの単一細胞遺伝子発現データに基づく腫瘍細胞の遺伝子発現パターンの解析は、肺癌患者の予後予測に有益な情報をもたらす可能性が示唆された。
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