研究課題/領域番号 |
20K22924
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0903:器官システム内科学およびその関連分野
|
研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
相本 恵美 東邦大学, 薬学部, 助教 (20756358)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 心房細動 / トリガー / 慢性容量負荷 / アルドステロン / リモデリング / 容量負荷 / 臨床心臓学 / 心血管・血液 / 疾患モデル動物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、独自開発した心房拡大を合併する持続性心房細動モデル動物(ラット)を用いて、trigger-based AFの発生基盤の構築に関わるメカニズムの解明を目指すものである。 Trigger-based AFは薬物療法と非薬物療法の両者に治療抵抗性を示し、従来提唱されてきたリエントリーを中心とした不整脈発生基盤とは異なる性質を持つことが示唆されている。この病態形成には様々な要因により生じた心房リモデリングが関与すると想定されているが、そのリモデリングの構築に関わるメカニズムは明らかでない。本研究から得られる知見は難渋する心房細動治療を打開する新たな治療戦略開発への展開が期待できる。
|
研究成果の概要 |
動静脈瘻による容量負荷とアルドステロン負荷を同時に慢性的に与えたラットでは、心房組織内における心房期外収縮の発生を頻回に認め、心房細動が持続化することを明らかにしてきた。本モデルラットで観察される心重量の増加および心房細動周期の短縮に対して、TRPC3チャネル阻害薬および間接的NFAT抑制薬は共通して抑制効果を認めたが、心房期外収縮の発生に対する抑制効果はTRPC3チャネル阻害薬のみに認められた。以上より、本モデルラット心房におけるトリガーの発生には、TRPC3チャネルおよびNFAT系シグナル以外のTRPC3チャネルを介した細胞内応答が関与している可能性が考えられた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年提唱されたtrigger-based atrial fibrillation (AF)は、従来の考えであるリエントリーを中心とした不整脈発生基盤と異なる性質を持ち、難治性に位置付けられている。本研究は独自開発したtrigger-based AFに類似した性質を有する心房細動モデルラットを用いて、不整脈発生の基盤構築に関わるメカニズムを解明することを目的とした。本研究により、TRPC3チャネルを介した細胞内シグナルが、本モデルラット心房におけるトリガーの発生に関与する示唆を得た。この成果は、難治性心房細動に対する新たな治療戦略確立への展開が期待でき、学術的・社会的に意義のあるものである。
|