研究課題
研究活動スタート支援
全身性強皮症は全身性自己免疫疾患で、本邦における指定難病であり、有効な治療法はない。近年、この病態形成には免疫系の主要構成因子であるB細胞、中でも自己抗体産生の担い手である自己抗原反応性B細胞が全身性強皮症の病態に重要な役割を果たすことが想定されるが、数は少なく、直接的な病原性の解析法が十分に確立していない。今回の研究では、医工連携研究によって開発された少数細胞のタンパク質レベルでの解析システムを用い、全身性強皮症における自己抗原反応性B細胞の役割を検討し、広く自己免疫疾患における自己抗原反応性B細胞の役割の理解を深め、新たな治療ターゲットの同定と治療法開発へとつなげることを目指す。
本研究では、マイクロ空間を用いた独自の技術と方法論を用い、全身性強皮症(systemic sclerosis; SSc)における自己反応性B細胞の機能と役割を明らかにした。topoI抗原への親和性とサイトカイン産生能との関係について、high affinityなB細胞においてIL-6やIL-23などの炎症性サイトカインを産生するB細胞の割合が多く、産生量も多かった。同様にlow affinityなB細胞からはIL-10やIL-35の抑制性サイトカインを産生するB細胞の割合が多く、産生量も多かった。前者はTh17細胞を誘導し、後者はTreg細胞を誘導することも明らかにした。
本研究は、自己抗原反応性B細胞の機能を明らかとすることで、数あるB細胞集団中から、病原性を有するB細胞集団を明らかとする。さらに我々の技術では、少数の自己抗原反応性B細胞のタンパク分析を可能としており、表面抗原の分析によって新たな治療ターゲットの同定につながることが期待される。このような研究は他に類が無く、他の自己免疫疾患においても応用可能であることから、革新的かつ創造的な研究となることが期待される。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 18件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件)
International Journal of Hyperthermia
巻: 39 号: 1 ページ: 200-208
10.1080/02656736.2021.2024281
Rheumatology
巻: 5 号: 11 ページ: 5-5
10.1093/rheumatology/keac023
The Journal of Dermatology
巻: 47 号: 7 ページ: 796-800
10.1111/1346-8138.15379
巻: 47 号: 11 ページ: 1287-1292
10.1111/1346-8138.15508
Clinical and Experimental Rheumatology
巻: 39 ページ: 160-160
Archives of Clinical and Biomedical Research
巻: 5 ページ: 76-84
Journal of Clinical Medicine
巻: 10 号: 2 ページ: 280-280
10.3390/jcm10020280
Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology
巻: 35 号: 2 ページ: 250-250
10.1111/jdv.16885
巻: 10 号: 4 ページ: 660-660
10.3390/jcm10040660
巻: 5 ページ: 368-375
巻: 5 号: 7 ページ: 5-5
10.1111/1346-8138.15868
Journal of Investigative Dermatology
巻: 141 号: 10 ページ: 2536-2539
10.1016/j.jid.2021.03.020
Elife
巻: 10 ページ: 5-5
10.7554/elife.67209
Arthritis & Rheumatology
巻: 73 号: 11 ページ: 2086-2095
10.1002/art.41798
Lancet Rheumatology
巻: 3 ページ: 489-497
Nature Communications
巻: 12 号: 1 ページ: 5-5
10.1038/s41467-021-26099-w
巻: 49 号: 1 ページ: 179-183
10.1111/1346-8138.16206
Diagnostics
巻: 11 号: 12 ページ: 2274-2274
10.3390/diagnostics11122274