研究課題/領域番号 |
20K22931
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0903:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
北村 知嵩 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00882044)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肺オルガノイド / 脱細胞化 / 細胞外マトリックス / 胚性幹細胞 / 3次元培養 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞外マトリックスはすべての組織、臓器中に存在する非細胞性の構成成分である。近年、各種臓器に由来する細胞外マトリックスを利用した臓器再生が試みられており、呼吸器領域における報告も散見される。また、臓器の発生プロセスで各種成長因子を発現する細胞等を器官再生・成長に用いることは、最も自然な分化・再生誘導法と考えられる。そこで、本研究では肺由来脱細胞化マトリックス(LM)、胎児由来未成熟肺細胞(ULC)を用いて多能性幹細胞の3次元培養をおこない、肺オルガノイドへの分化・創生を目指す。
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研究成果の概要 |
近年、各種臓器に由来する細胞外マトリックスを利用した臓器再生が試みられており、呼吸器領域における報告も散見される。本研究では、マウスES細胞から肺由来脱細胞化マトリックス(LM)を用いて、肺オルガノイドの分化誘導を試みた。成獣マウス由来LMをシート状に加工したLMSheetを作成し、それを用いてES細胞の三次元培養を行った結果、各種肺細胞および、気道上皮細胞のマーカーの遺伝子発現誘導亢進を認めた。さらに、組織学的解析により、LMSheetでの細胞生着を認め、LMの有効性が実証された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺は種々の細胞が立体的配置により機能しているが、その立体構成には細胞外マトリックスが主に関与していると考えられている。これまで細胞外マトリックスは専ら足場として利用されてきたが、本研究では、分化誘導因子としての可能性を精査した。マウス由来正常肺を脱細胞化後、シート状に加工したものを用いてES細胞の分化誘導を行ったところ、肺および気道各種細胞への分化誘導を認めた。本研究成果は、肺再生や肺形成における細胞外マトリックスの新たな知見を示し、今後の呼吸器再生医学に大いに貢献し得ると考えられた。
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