研究課題/領域番号 |
20K22934
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0904:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
千葉 晶輝 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70875947)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 正常造血 / 急性骨髄性白血病 / 白血病 / 転写因子 / EVI1 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、急性骨髄性白血病(AML)の難治化に関わる転写因子Ecotropic viral integration site 1 (EVI1)の正常造血における下流標的を網羅的に探索する。EVI1高発現の白血病は極めて難治性であることが知られているが、同時にEVI1は正常造血系においては造血幹細胞のみに特異的に発現しており、正常の造血幹細胞の維持に必要不可欠な遺伝子である。正常造血細胞側からEVI1の下流標的を追うことで、AML特異的なEVI1のターゲットを探索する研究はこれまでなく、本研究は従来とは違ったアプローチから難治性白血病であるEVI1高発現白血病の治療標的の解明を目指している。
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研究成果の概要 |
遺伝子改変細胞株を用いChIP-seqを施行し、さらにEvi1をノックアウトした同細胞株のRNA-seqのデータや、Evi1高発現マウス白血病細胞を利用したChIP-seqのデータと統合し、Evi1と協調して造血幹細胞の未分化性の維持に関わる遺伝子候補を得た。これらのうちEvi1欠失したマウスの造血幹細胞にGfi1を過剰発現させるとコロニー形成能が回復した。またマウスの競合移植の系を用いたところEvi1欠失がGfi1の過剰発現によりレスキューされた。これらの検証から、正常造血モデルにおいてGfi1がEvi1の下流標的であり、協調して幹細胞性の維持に寄与している可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は正常造血幹細胞に発現する遺伝子が高発現することによって特徴づけられるタイプの、他の難治性急性骨髄性白血病(AML)に共通する治療開発のモデルとなりうる可能性があり、これによって難治性AMLの病態解明と新規治療開発の基盤を確立することができる。
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