研究課題/領域番号 |
20K22939
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0904:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
藤本 正伸 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (80745224)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | IGF-1 / iPS細胞 / 軟骨細胞 / 成長障害 / IGF1R異常症 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトの成長に重要な成長ホルモン-インスリン様成長因子-1(IGF-1)の作用は重要であるが、ヒトの骨成長に重要な成長板軟骨細胞に、どのようにIGF-1が作用しているかは十分明らかにされていない。本研究の特徴は、ヒトiPS細胞を利用して軟骨細胞を誘導し、IGF-1によって発現が調節される遺伝子、pathwayを同定することである。また、同定された遺伝子やpathwayの異常が軟骨細胞増殖速度に与える影響を評価することである。それらは、成長障害の新たな治療薬の探索、疾患概念構築の第一歩になると考える。
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研究実績の概要 |
当初の計画で利用する予定であったヒトiPS細胞の培養を開始後、既報のTsumakiらの方法(Stemcell reports. 2015;4(3):404-418.)、Kawataらのプロトコール(Stem cell reports. 2019;13(3):530-544.)を実施して、軟骨細胞の誘導効率を比較したが、十分な軟骨細胞成分は検出できなかった。また、誘導効率を高めるため、細胞外Matrixの基剤をラミニンからマトリゲル基底膜マトリックスへの変更を実施したが、iPS細胞から分化誘導途中の間葉系幹細胞の接接着効率が高く、Sphere形成には至らなかった。以上より、さらなるプロトコールの改定が必要であること、軟骨細胞の分化誘導について、先駆者に直接指導を依頼することを検討している。 また、積極的に同様のプロトコールの検索を行い、代替となる軟骨細胞の分化誘導方法について選定を進め、on-feeder方法での培養を計画している。 次段階では、IGF-1、インスリンといった成長因子の濃度勾配を設けて、軟骨細胞塊の大きさの変化や遺伝子発現の変化等について確認を行う予定である。同様の研究を複数のiPS細胞株で実施し、正常iPS細胞株間での差異についても検討する。 iPS細胞に対して、IGF1R遺伝子変異の導入を行い軟骨の分化誘導におけるIGF-1シグナルの重要性についても研究を実施していく方針である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
現在使用しているiPS細胞からの軟骨分化誘導のプロトコールによる分化誘導が最適化ができていないため。
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今後の研究の推進方策 |
iPS細胞からの誘導軟骨細胞の効率化・最適化を実施するため、プロトコールの変更やプロトコール作成者との面談を行い、直接の指導を仰ぐよう計画を行っている。 誘導軟骨細胞が十分な効率で作成できた段階でIGF-1、インスリンといった成長因子の濃度勾配を設けて、軟骨細胞塊の大きさの変化や遺伝子発現の変化等について確認を行う実験を計画中である。また、同様の研究を複数のiPS細胞株で実施し、正常iPS細胞株間での差異についても検討し、培養系をfeeder freeからon-feeder方法へ変更することを検討している。 iPS細胞に対して、IGF1R遺伝子変異の導入を行い軟骨の分化誘導におけるIGF-1シグナルの重要性についても研究を実施していく。
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