研究課題/領域番号 |
20K22940
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0904:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
山田 直也 自治医科大学, 医学部, ポスト・ドクター (50611787)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | フェロトーシス / 細胞死 / 鉄 / 脂質酸化 / 肝虚血再灌流障害 / オキシステロール / 肝臓 / 虚血再灌流障害 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、新規細胞死であるFerroptosisが様々な疾患へ関与することが報告され、注目されている。申請者らは、Ferroptosisが肝虚血再灌流障害やアセトアミノフェン急性肝不全の病態に重要であることを報告してきた。本研究では、申請者らが同定した肝特異的にFerroptosisを制御する代謝酵素を中心に、Ferroptosis制御機構の解析と、Ferroptosis関連肝疾患の病態解明と新規治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
肝細胞特異的なferroptosis制御因子として、コレステロール合成酵素である7-デヒドロコレステロール還元酵素(DHCR7)を同定した。DHCR7遺伝子を欠損、もしくは薬剤で阻害した場合に、肝細胞はferroptosisに耐性を示した。DHCR7の欠損・阻害下ではDHCR7の基質である7-デヒドロコレステロール(7-DHC)の蓄積が認められ、これが多価不飽和脂肪酸より優先的に酸化されることがferroptosis抑制につながることが示された。さらに、DHCR7阻害剤は肝虚血再灌流障害の抑制にも有効であり、ferroptosis関連肝疾患の制御に有効な治療標的と考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、新たな細胞死であるフェロトーシスと様々な疾患への関与が相次いで報告され、注目を集めている。肝臓では、近年患者数の増加が問題視されている非アルコール性脂肪性肝炎やアルコール性肝炎、急性肝不全の原因であるアセトアミノフェン肝障害、肝虚血再灌流障害などへの関与が報告されている。本研究では、肝臓に特異的なフェロトーシスの制御因子として、コレステロール合成酵素の1つであるDHCR7を同定した。DHCR7の阻害剤は肝細胞のフェロトーシスを抑制し、肝虚血再灌流障害を軽減した。これらから、DHCR7を標的とした治療はフェロトーシス関連肝疾患に有効であると期待される。
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