研究課題/領域番号 |
20K22942
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0904:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
宮原 敏 産業医科大学, 医学部, 助教 (50878329)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | レプトスピラ症 / ワイル病 / 急性腎障害 / 慢性腎臓病 / 動物モデル / 人獣共通感染症 / 病理学 / ハムスターモデル / 腎不全 |
研究開始時の研究の概要 |
レプトスピラ感染症は、大部分は軽症で自然治癒するとされるが、一部は重症化し多臓器不全を示して死に至る。どのような病態で重症化するのか、それに関わる菌体側の病原因子が何であるのかは未だ解明されていない。本研究では、重症型と、軽症型を示すハムスターモデルについてそれぞれ病理組織学的特徴と、菌体の表現型、遺伝子発現の違いを調べ、重症化を起こす病原因子を特定する。その成果により、患者の分離菌から重症化リスクを予測できるようになり、適切な治療や有効な予防対策に繋げられる。
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研究成果の概要 |
本研究では、同一菌株(Leptospira interrogans L495株)を用いて、ハムスターに軽症型感染と重症型感染を起こさせることに成功した。2つのモデルの比較により、急性期の抗体価の上昇の遅れが、急性腎障害、生存率に関連しており、重症化を決める因子の一つである可能性が示唆された。また軽症型モデルの腎臓の解析により、急性期に生じた尿細管障害が慢性期も持続し、慢性期に腎障害を起こすことがわかった。レプトスピラ症が熱帯地方の慢性腎障害の一因である可能性が示唆された。さらに、レプトスピラ症の消化管病変について報告し、便が感染源になる可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
レプトスピラ症において腎機能障害は急性期の死因となりうるだけでなく、慢性腎障害として患者の長期的な生活の質の低下、医療経済的負担に関与する重要な臓器障害である。しかし、腎障害を予測する因子がなかったため、予防や治療介入が進んでこなかった。本研究により、レプトスピラ症における急性腎障害や慢性腎蔵病の病態の一端が明らかとなり、腎障害を予測するマーカーや治療法の開発につながる成果を上げることができた。
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