研究課題/領域番号 |
20K22945
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
寺田 類 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (30880984)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 凝固障害 / クリオプレシピテート / 周産期出血 / 周術期産科出血 / 産科危機的出血 / 中空糸膜 |
研究開始時の研究の概要 |
大量出血症例において、FFPのかわりに低温融解により凝固因子成分を析出・濃縮したクリオプレシピテートを使用することで、効率のよい凝固因子の補充・患者の止血能の速やかな回復が実現し、治療予後が改善することが期待される。 一方、クリオの調製には長時間の低温融解や析出凝固因子成分回収のための大型遠心機の必要性など複数の制約が存在する。本研究は、新規に開発した中空糸膜法で簡便かつ迅速に調製した中空糸膜クリオプレシピテートが、通常のクリオプレシピテートやFFPと同等以上の止血効果を持つか、心臓外科手術症例を用い前向きランダム化比較試験で検証するものである。
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研究成果の概要 |
当初の研究デザイン(心臓外科手術を対象としたRCT)を産科大量出血を対象とした非無作為化、非盲検の単群比較研究(対照はヒストリカルコントロール)に変更した。倫理申請とその承認、臨床保険の加入、jRCT(Japan Registry of Clinical Trials)への登録、中空糸膜クリオプレシピテート(クリオ)の前段階の凝固活性因子の比較検討、各科診療科との患者の組み入れの基準や運用方法について協議などの準備を整え、症例登録を開始した。夜間などの緊急症例に供給できないことがあり、当初の予定より症例数を得るのに時間を要しているが、研究は現在も進行中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生命を脅かすような周産期の大量出血は、周産期管理の進歩によって、減少してきているものの、いまだ妊産婦死亡原因の第1位を占めている状況である。今回作製した中空糸膜クリオは、輸血開始までの時間を短縮でき、濃縮分画製剤であるため、凝固障害に陥った患者の凝固能をすばやく改善させることができ、大量出血症例においての治療予後に大きく貢献できる可能性がある。今回の研究を通し、中空糸膜クリオの有効性と安全性が証明されれば、出血症例における輸血戦略が大きくかわり、より有効な治療を患者に提供することが期待される。
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