研究課題/領域番号 |
20K22950
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
姚 思遠 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (70881944)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | HLA / 生体肝移植 / 抗体関連拒絶 / donor specific antigen / エピトープ / 肝移植 |
研究開始時の研究の概要 |
①HLAエピトープ解析のため肝移植症例のドナーとレシピエントの保存血液検体からHLA-A,B,C,DR,DQ,DP6座のアレルタイピングを実施する。②対象症例の臨床情報(抗体関連拒絶発症、抗ドナーHLA抗体産生および予後)を患者カルテから収集し、コンピュータソフトウェアを用いたエピトープ解析から得られた情報と合わせて、ミスマッチエピトープの拒絶発症や予後との関連を検討し、免疫原性の高いエピトープを同定する。即ち、本研究では患者検体を含む臨床データを用いて免疫原性の高いエピトープを同定することで、移植前の拒絶リスクを層別化でき、さらにはエピトープ自体を治療標的候補とすることが可能になると考える。
|
研究成果の概要 |
肝移植データベースに基づき、HLAエピトープの適合度とDSA発生や予後との相関性を後方視的に検証した。移植経過年数とともに緩徐にDSA発生率が増加した。また長期間にかけて緩徐にグラフト肝の線維化が進行した。本検討を通して、DSAの発生予防と抗体関連拒絶の治療戦略開発が強く求められる現状を改めて確認した。続いてDSA発生と不適合HLAエピトープの個数に注目すると、HLA classⅡの不適合エピトープ数とDSA発生とが相関した。しかし不適合数が多くともDSAを発生しない例や不適合数が少なくともDSAを発生した例も存在した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臓器移植後の拒絶、特にドナー特異的抗体(donor-specific antibody: DSA)を伴う抗体関連拒絶は今も難治である。HLAエピトープ多型という新規バイオマーカーに基づき肝移植後の拒絶(特に抗体関連拒絶)を予測し、各移植における免疫抑制療法の強化・減量に有用な情報を現場に提供する。複数のドナー・レシピエント候補の中からハイリスク症例の回避にもつながる。それによって拒絶反応や合併症の危険性が軽減され、移植患者の生命予後のみならずQOLが向上すると期待できる。
|