研究課題/領域番号 |
20K22952
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
宮嶋 久雄 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (80874362)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脳症 / サイトカインストーム / ARDS / サイトカイン |
研究開始時の研究の概要 |
急性呼吸窮迫症候群 (ARDS) は、細菌やウイルス等の感染症に起因する肺炎や敗血症等が原因で起こる重度の呼吸不全である。ARDS生存者の多くでは、長期的な脳機能障害が現れることが報告されているが、その病態メカニズムは未だ不明な点が多い。本研究では、ARDS後の脳機能障害の主要な原因の一つとして考えられるサイトカインストーム(血中サイトカインの異常上昇)曝露の動物モデルを確立し、続発する脳機能障害(サイトカインストーム後脳症)の解明を目的とする。そして、血液脳関門の機能制御に重要な働きをもつ炎症性サイトカインIL-17に着目し、IL-17シグナル制御による新規治療法の基盤開発を目指す。
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研究成果の概要 |
急性呼吸窮迫症候群 (ARDS) に伴うサイトカインストームが脳機能障害を引き起こすことが示唆されているが、その病態メカニズムは未だ不明な点が多い。本研究では、ARDSに続発するサイトカインストーム後脳症を動物モデルにより再現し、血液脳関門の破綻に関与するIL-17に着目した病態解明を目的とし研究を行った。ARDSモデルマウスを確立し、ARDS発症急性期における血中IL-17の発現上昇と脳実質内での各種サイトカインの発現上昇、髄膜中のIL-17発現細胞の増加を見出した。これらの結果は、ARDS後の脳内炎症が脳全体で起こっていることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでも、臨床医学的にARDS後の認知機能の低下が報告されてきた。しかし、低酸素血症などの要因が、脳機能障害の発症につながっている可能性もあり、ARDSに伴うサイトカインストーム後脳症の病態メカニズムはわかっていない。本研究では、ARDSマウスモデルにおいてもサイトカインストームと脳内炎症が起きていることを確認できた。現在は並体結合マウスを使用し、ARDSに伴うサイトカインストーム曝露後の脳機能障害の解析を進めている。今後これらの解析を進めることで、血液脳関門の破綻や脳内炎症のメカニズムを解明できれば、神経系の後遺症を改善する有用な治療法の開発につながることが期待される。
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