研究課題/領域番号 |
20K22957
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安藤 陽平 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40746864)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | scRNA-seq / 消化器癌 / 化学療法 / 免疫微小環境 / 胃癌 / scRNAseq / 癌免疫 / 腫瘍微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト胃癌検体に対しscRNAseqを用いることで、従来は認識不可能であった、細胞個々、もしくはそれに近いレベルでの腫瘍微小環境の違いを認識することで、新たな治療標的や化学療法関連の予後規定因子の発見などを目指す。さらに、PDXモデルを用いることにより、実際のヒトに近い実験系において治療実験を行い、化学療法による腫瘍免疫の変化の解明や新規標的治療の探索とその有効性の実証を行う。
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研究成果の概要 |
当科で胃切除術を施行した胃癌症例から採取した腫瘍部を対象とし、術前化学療法 (NAC)の有無によって変化する免疫細胞の機能関連遺伝子発現をscRNA-seqを用いて評価した。NAC群のCD8陽性T細胞は殺細胞性機能関連遺伝子の発現が有意に高値であったが、同時に疲弊化関連遺伝子も有意に高値であった。また、NAC群の胃癌細胞と制御性T細胞で免疫抑制機能関連遺伝子の発現が有意に高値であった。さらに、食道癌においてもNACによって変動する腫瘍免疫微小環境を評価し、NACにより抗腫瘍免疫反応が増強することを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胃癌に対する化学療法は免疫原性を高めると同時に、腫瘍は免疫回避機構として免疫抑制環境を形成していることが示唆され、これが治療耐性化の機序の一つである可能性が示唆された。本研究で明らかにしたNACによる腫瘍免疫微小環境の解明は、化学療法反応性のバイオマーカーや治療標的を検討する一助になると考えられた。
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