研究課題/領域番号 |
20K22965
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
前仲 亮宏 愛知医科大学, その他部局等, 薬剤師 (80886193)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 臓器移植 / 拒絶反応 / HLA / 免疫抑制剤 / 移植 / DSA / mTOR阻害剤 / スタチン / 抗体関連型拒絶反応 / 移植免疫 / 内皮細胞 / HLA class II / 腎移植 / 免疫制御 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の臓器移植は良好な短期成績が得られてきているが、長期生着に関しては課題として残されている。その主たる原因の一つは、ドナー特異的HLA抗体(Donor Specific HLA Antibody; DSA)による、抗体関連型拒絶反応 (Antibody Mediated Rejection; AMR)である。特に移植後新規に産生されるドナーHLAに対するde novo DSAによるAMRは度々治療困難となり、移植臓器の廃絶を招く。本研究は、ドナー臓器に発現するHLA抗原そのものに着目し、その発現制御メカニズムの解明から、DSAに起因する難治性慢性拒絶反応の有効な治療法の実現を目指す。
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研究成果の概要 |
現在の臓器移植は良好な短期成績の一方で、慢性期では移植臓器のHLAというタンパク質、特にHLA-class IIに対する抗体が移植後、新規に産生された際には予後不良となることが多く、克服すべき課題となっている。 本期間内では、臨床で使用されている既存の薬剤の中から、炎症状態の移植臓器を想定した内皮細胞上のHLA-class IIの発現量を減少させるものを2種類同定した。またHLAの調節に関わる可能性のあるタンパク質を見出した。加えて、細胞障害性T細胞が関わる拒絶反応に進展する可能性のある反応を抑え得る結果を得た。それらの効果が、移植後の薬剤選択の基準となる研究へと繋がっていくことを期待する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、内皮細胞におけるMHC(HLA)-class IIの発現・分解メカニズムの知見は乏しい。また、移植後新規に発生した抗体による拒絶反応(ABMR)に対する既存の治療は、主にレシピエント免疫系を標的とした中で、その効果は限定的なものに留まっている。本研究成果は、ドナー抗原であるHLA-DRの発現量の減少という新たなアプローチによるABMR制御だけでなく、細胞障害性T細胞が引き起こす拒絶反応(TCMR)、またHLA-class IIの発現に関わる可能性のあるタンパク質を見出した。これらの結果は、DSA産生時の検査・薬剤選択だけでなく、内皮細胞のHLAに知見を拡げることに繋がると考えている。
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