研究課題/領域番号 |
20K22972
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福井 夕輝 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10880198)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 全身性強皮症 / 創傷治癒 / マクロファージ / 単球 / 血管障害 / 単球・マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
全身性強皮症は自己免疫異常を基盤として皮膚および内臓諸臓器に血管障害と線維化を生じる膠原病である。患者のquality of lifeを損ねる症状に血管障害や創傷治癒遅延に伴う難治性皮膚潰瘍があり、単球・マクロファージの関与が指摘されている。全身性強皮症の重要な疾病因子の一つである転写因子Fli1の恒常的な発現低下がその病態に深く関与することが明らかにされていることから、本研究では単球・マクロファージの起源となる骨髄由来細胞特異的Fli1欠失マウスを用いて血管障害に対する単球・マクロファージの関与につき検討し、全身性強皮症の難治性皮膚潰瘍に対する新規治療開発の基盤となる病態理解の構築を目指す。
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研究成果の概要 |
全身性強皮症の病態を再現し単球、マクロファージに異常を有する骨髄由来細胞特異的Fli1欠失マウス(Fli1 McKOマウス)を用いて全身性強皮症の血管障害と創傷治癒異常におけるマクロファージの関与につき検討を行った。マクロファージにおける転写因子Fli1の発現低下は、M2マクロファージへの分化を誘導することが示されており、Fli1 McKOマウスのマクロファージではさらに新生血管の不安定化に関連するフェノタイプへの変化がみられた。性質変化したマクロファージが創傷部位での血管内皮細胞の遊走能、管腔形成能の異常を誘導することで全身性強皮症における創傷治癒遅延に関与する可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全身性強皮症の血管障害と創傷治癒遅延における単球、マクロファージの役割について現時点では不明とされている。本研究では、ヒトでの検討が困難な血管障害の病態解析に全身性強皮症の病態を忠実に再現するFli1 McKOマウスを用いることで、マクロファージが新生血管の不安定化を誘導し、血管形成の障害や創傷治癒遅延の病態形成に関与する可能性を明らかにした。本研究成果は、全身性強皮症の血管障害においてマクロファージをターゲットとした新規治療開発の一助となることが期待される。
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