研究課題/領域番号 |
20K22978
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中江 彩 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (60880961)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 卵巣癌 / 脱ユビキチン化酵素 / ライブラリースクリーニング / スクアレン合成経路 / がん幹細胞 / USP32 / FDFT1 / メバロン酸経路 / 癌幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
上皮性卵巣癌において腹膜播種は診断時また再発時にしばしば認められ、腹水貯留・腸閉塞によって全身状態を悪化させる予後不良の病態であり、制御しうる新規治療薬の発見が望まれる。卵巣癌腹膜播種の治療標的候補遺伝子をプール型shRNAライブラリーを用いin vivoスクリーニングした先行研究を下に、臨床的意義が高い候補を絞り込み、脱ユビキチン化酵素の一つUSP32に着目、卵巣癌における癌遺伝子としての機能、及び新規基質蛋白FDFT1を同定し、スクアレン合成経路が卵巣癌腹膜播種に対する新規治療標的である可能性を示した。本研究ではUSP32及びFDFT1のがん幹細胞における役割について更に解明を進め、治療戦略として確立を目指す。
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研究成果の概要 |
ヒト卵巣癌細胞株を用いUSP32が細胞増殖能、上皮間質転換能、特にスフィア形成能に強く関与する事を示した。USP32の基質蛋白を免疫沈降-質量分析法によって網羅的に探索し、基質蛋白候補を同定、コレステロール生合成に重要なメバロン酸経路のスクアレン合成酵素FDFT1に着目した。卵巣癌スフィアでUSP32、FDFT1発現は高く、これらの抑制、FDFT1阻害剤、メバロン酸経路を抑制するビスフォスフォネート製剤によりスフィア形成は抑制され、スクアレンによって回復した。卵巣癌腹膜播種にはスフィア形成能獲得が必須であり、USP32、FDFT1は卵巣癌腹膜播種に対する新たな治療標的となることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
卵巣癌は婦人科悪性腫瘍の中で死亡者数が最も多く、特に腹膜播種を伴うⅢ期以上の進行期症例の予後は不良である。昨今、殺細胞性抗癌剤に替わる選択肢として血管新生阻害剤やPARP阻害剤が導入され予後改善に寄与している。しかし、血管新生阻害剤は腹膜播種を有する患者では腸管穿孔のリスクから使用困難な場合があり、様々な殺細胞性抗癌剤との併用でも無増悪生存期間が3-4ヶ月程度延長するのみである。PARP阻害剤は上皮性卵巣癌の治療においてプラチナ感受性が有効性の主なバイオマーカーであり、複数レジメン終了後のプラチナ抵抗性再発卵巣癌は治療対象とならず、腹膜播種病変を制御しうる新たな治療標的の発見が尚望まれている。
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