研究課題/領域番号 |
20K22982
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
茶谷 亮輔 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (80881755)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ゲノムワイド関連解析 / 遺伝子発現解析 / プロテオーム解析 / オミクス解析 / バイオインフォマティクス / 尿路結石 / 尿路結石症 / トランスクリプトーム解析 / メタボローム解析 / 遺伝統計学 / ゲノム創薬 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では多因子疾患である尿路結石症につき、オミクス解析を行うことで結石形成のメカニズムを解明することが目標である。今回行うのは多層的マルチオミクス解析であり、単一の患者に複数の網羅的解析を行い、症例を重ねる手法を用いる。 ゲノムの一塩基多型解析を血液検体から、遺伝子発現解析を結石形成が行われている腎盂組織から、タンパクの解析を腎盂組織と尿から、代謝産物の解析を尿と結石から行う。以上のオミクス情報を統合解析する。 また、得られたオミクス情報を公開されているバイオインフォマティクス情報と照合しin silico解析することで、治療薬となり得る分子をスクリーニングして創薬につなげる。
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研究成果の概要 |
本研究ではヒト尿路結石症ゲノムワイド関連解析(GWAS)と結石モデルマウスの網羅的解析を統合オミクス解析することで腎臓特異的な尿路結石症の関連分子と細胞種を同定した。尿路結石症GWASと結石モデルマウスの腎臓について遺伝子発現、タンパク、リン酸化ペプチドを網羅的に定量したものを統合解析することで新たな知見を得た。その結果、ヒト-マウスの統合解析では31遺伝子と21リン酸化部位が共通した結石関連分子として示した。 UMODなどの、既知である結石関連分子の由来となる細胞種を指摘したことと、免疫系細胞由来のスカベンジャー遺伝子であるSTAB1などを新たな結石関連分子として同定したことが成果である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、「ヒト疾患の真の病態とモデル動物が示す病態は異なるものである」というモデル動物研究の最大の欠点について、ヒト疾患ゲノムワイド関連解析データを用いいることで部分的に克服したことに大きな意義がある。 また本研究で用いたデータの多くは公開されているデータであり、生物学研究にバイオインフォマティクスが有用であることを示すモデルとなる研究である。 研究成果について、今回示した分子は尿路結石形成に原因として関わってい可能性が極めて高く、これらの分子を研究することが有用であることは勿論のことであるが、直接的なドラッグターゲットにもなり得る。
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