研究課題/領域番号 |
20K22983
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
前田 英子 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (30883011)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 子宮内膜症 / 動脈硬化 / 酸化ストレス / 炎症 / 内分泌治療 / 慢性炎症 / ホルモン治療薬 / 心血管リスク |
研究開始時の研究の概要 |
子宮内膜症のホルモン治療に含有するホルモン剤が動脈硬化やその基盤となるインスリン抵抗性に与える分子メカニズムを解明するともに、子宮内膜症およびそのホルモン治療が動脈硬化関連マーカーに及ぼす影響を明らかにする。子宮内膜症が将来の心血管疾患のリスクを増加させることが大規模コホート研究で示されている。研究代表者は、子宮内膜症に対するホルモン治療が高感度CRPと酸化ストレスを増加させ、さらに、治療期間が長くなると動脈硬化性指標が上昇することを明らかにした。本研究では、動脈硬化への早期介入や心血管疾患の予防を織り込んだ子宮内膜症ホルモン治療管理戦略を提唱することを目的としている。
|
研究成果の概要 |
本研究では子宮内膜症患者と対照群で炎症・酸化ストレスマーカー、動脈硬化性指標を測定した。トリグリセライドは非疾患群・未治療群・DNG群よりもLEP群で高かった。log高感度CRPは、非疾患群よりも未治療群で高く、LEP群でさらに増加した。血清d-ROMs値は非疾患群よりも未治療群で高く、LEP群でさらに増加したが、DNG群では非疾患群、未治療群とも有意差はなかった。酸化LDLは、全群間で差はなかった。全群間で年齢調整CAVIおよびABIに有意差は認めなかった。スピアマンの順位相関係数では、LEPの投与期間とCAVIの間に正の相関関係を認めたが、DNGの投与期間とCAVIに相関関係はなかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
未治療子宮内膜症女性では、炎症および酸化ストレスマーカーが増加し、 OCによりこれらはさらに増加するが、DNGでは有意差は認めないことが示された。さらに、DNG治療とOC治療では動脈硬化指数には変化はなかったが、子宮内膜症に対するOCの投与期間と動脈硬化性変化には正の相関があることが明らかとなった。これらの結果から、子宮内膜症治療において、DNG はアテローム性動脈硬化のリスクを高めることなく投与が可能であると考えられ、また、OC 投与期間中は動脈硬化関連マーカーの定期的な観察が望ましいと考えられた。このように、子宮内膜症に対する内分泌治療が動脈硬化に及ぼす影響を明らかにした。
|