研究課題/領域番号 |
20K22994
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
廣澤 直也 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (10882748)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | シュワン細胞 / エクソソーム / 末梢神経障害性疼痛 / 末梢神経障害 / 末梢神経 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は重度末梢神経障害治療法の一つであるVein Wrapping法(損傷神経に静脈を巻き付ける方法)の作用機序としてVeinが産生する液性因子(bFGFなど)が関与していることを示した。更に申請者らはコラーゲンシートにbFGFを吸着させることでVein Wrappingの作用の一部の模倣に成功した。他方、申請者は初代ラットシュワン細胞培養から抽出したシュワン細胞由来エクソソーム(Sch-ex)がTNFα誘発神経障害性疼痛を緩和できることを見出した。本研究では、Sch-exをラット末梢神経障害モデルに供することにより、重度末梢神経障害治療シーズとしての有用性を検討する。
|
研究成果の概要 |
末梢神経障害において、シュワン細胞は神経の変性、炎症反応、疼痛にまず寄与する細胞として知られている。TNFaは末梢神経障害時、早期に関与しワーラー変性を引き起こす因子であり、末梢神経障害治療においてTNFaをいかに制御するかが鍵と考える。今回我々は、ラットシュワン細胞由来のエクソソームの抽出を行い、今回新たに純度の高いエクソソームの抽出方法を確立した。シュワン細胞由来エクソソームはTNFaの受容体であるTNFa1を豊富に含んでいることが判明し、シュワン細胞由来エクソソームが炎症の抑制、生体内における疼痛の抑制を行い、TNFaに対しおとりの役割を果たしていることが示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
難治性末梢神経障害は、依然確立された治療がなく、患者さんの肉体的精神的負担のみならず、疼痛の慢性化に伴う医療費の増大に繋がる。我々は今回、末梢神経内でメインの細胞であるシュワン細胞、近年注目を集めている細胞外小胞体、エクソソームに注目し研究を行った。シュワン細胞由来エクソソームは末梢神経障害におけるキーとなるTNFaの抑制を行うことを見出し、より確実に末梢神経障害部位にエクソソームを寄与することを目的とし更なる研究を行う。このエクソソームを活用した末梢神経障害治療が今後大きくこの分野の治療を変えていく可能性を見出した。
|