研究課題/領域番号 |
20K23000
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) (2021) 名古屋大学 (2020) |
研究代表者 |
Adilijiang Alimu 愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学分野, リサーチレジデント (30880348)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脳腫瘍 / ゲノム / バイオプシー / 脳腫瘍学 |
研究開始時の研究の概要 |
次世代ゲノム解析によって、脳腫瘍の予後予測や組織分類に有用な遺伝子変異が示唆された。今後の課題は個々の腫瘍での迅速解析に基づく層別化医療である。研究代表者の研究室ではsingle nucleotide polymorphismを60分で検出できる装置を用いて、血液と髄液中のIDH1 R132Hが高精度で検出できることを実証した。ナノワイヤは、電荷により核酸を高効率に捕捉できるデバイスである。本研究ではナノワイヤとこの装置を組み合わせ、60分間で腫瘍タイプ別遺伝子変異を検出することを目的とする。これにより、脳腫瘍患者の術前遺伝子診断が可能とし、早期での予後予測、個々の治療方法層別化が実現できる。
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研究成果の概要 |
脳腫瘍は治療が難しく、いくつかの遺伝子変異が予後に関連する。本研究では遺伝子の一塩基多型(SNP)に焦点を当て、術中迅速診断及び患者尿から短時間で術前非侵襲的遺伝子診断を目指した。SNPs解析装置は遺伝子変異部位に特異的プローブを結合させ、加熱で結合変性し発光することで変異を検出する。所要時間は60分と短く、術中迅速診断を可能にする。ナノワイヤデバイスは尿中に存在する微量な腫瘍由来核酸を捕捉できる。本研究ではIDH2, EGFR, BRAF, H3F3A遺伝子変異に対するプローブ開発を行なった。また、IDH1遺伝子R132H変異に対する高感度測定系を構築し、0.01%変異の検出に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年脳腫瘍の予後予測や組織分類に有用な遺伝子変異が示唆された。脳腫瘍手術中の迅速遺伝子診断はより正確な術式設定、早期最適術後治療を可能にする。本研究では脳腫瘍で見られるいくつかの遺伝子変異の迅速診断技術を確立した。 名古屋大学工学部が開発したナノワイヤデバイスは脳腫瘍患者尿中の腫瘍由来核酸を捕捉できる。その中の微量な変異遺伝子を検出するためには、高感度測定が必須である。本研究では99.99%の感度でIDH1遺伝子R132H変異を正確に検出できる測定系を構築した。今後この技術がSNPs解析装置と合わせて臨床に応用し、正確な術前診断、術中迅速診断により個々の患者に最適な層別化医療の提供が期待できる。
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