研究課題/領域番号 |
20K23007
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
杉野 輝明 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (70881746)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 褐色脂肪細胞 / 腎結石 / メタボリックシンドローム / uncoupling protein1 / 尿路結石 |
研究開始時の研究の概要 |
私たちはこれまで、尿路結石の形成機序には動脈硬化との類似点が多いことに注目し、「尿路結石はメタボリックシンドローム(MetS)の一病態」という概念を提唱してきた。そこで、熱産生タンパクUCP1(uncoupling protein1)を発現してエネルギー代謝を行い、抗MetS作用を示す『褐色脂肪細胞』に着目した。これまでに、マウスを用いた基礎実験から、褐色脂肪細胞の活性化によって尿路結石を予防できる可能性があることを見出し報告してきたが、その詳細なメカニズム解明には至っていない。本研究において、褐色脂肪細胞がもつ結石予防効果のメカニズムを解明し、新たな結石予防法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
[1]5週齢のC57/BL6Jマウスを用いて、①褐色脂肪細胞を除去する群、②除去した褐色脂肪細胞を移植する群、③Sham手術を行う群を用意した。手術後28日目より、腎結石モデルマウスの手法を用いて、それぞれ腎結石を作成させた。褐色脂肪細胞を移植した群においては、Sham手術を行なった群と比較して有意に結石形成量が少なく、腎における炎症性マーカーの発現が低かった。 [2]8週齢の野生型マウス(Ucp1+/+)およびUCP1ノックアウトマウス(欠損型, Ucp1-/-)に腎結石を形成させた。欠損型では、野生型と比較して結石形成量が有意に多く、腎における炎症性サイトカインの発現が高かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
私たちは、「尿路結石はメタボリックシンドローム(MetS)の一病態」という概念を提唱してきた。そこで、熱産生タンパクUCP1(uncoupling protein-1)を発現してエネルギー代謝を行ない、抗MetS作用を示す『褐色脂肪細胞』に着目した。これまでに、マウスを用いた基礎実験を行い、褐色脂肪細胞の活性化によって尿路結石を予防できる可能性があることを見出した。本研究では、『褐色脂肪細胞の活性化によるMetSの改善』を応用した結石予防法の確立を目指す。動物モデルを用いて褐色脂肪細胞が持つ結石抑制効果のメカニズムを解明するとともに、特異的タンパク質UCP1の機能解析を行う。
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