研究課題/領域番号 |
20K23009
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
大槻 雄士 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (10875412)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | フェロトーシス / COX-2 / xCT / ALDH / cox-2 / 4-HNE / GSH / 治療抵抗性癌 |
研究開始時の研究の概要 |
血管拡張薬オキシフェドリンは細胞内の解毒酵素であるアルデヒドデヒドロゲナーゼを阻害し、さらにxCT阻害剤を併用することで、種々の癌細胞において協調的に細胞死を誘導し腫瘍抑制をきたす。さらに併用療法時にPTGS2(Cyclooxygenase-2 :COX-2)等の遺伝子群の発現が上昇する。 本研究では、この併用療法の治療効果をさらに高めるために、COX-2等の遺伝子の発現が上昇する詳細な分子機構の解明を通じ、その意義を明らかにし、癌治療応用への基盤を固める。多くの治療抵抗性腫瘍においてxCTとALDHの発現が認められることから、本研究の成果は様々な癌種に普遍的に応用できる可能性が高い。
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研究成果の概要 |
フェロトーシスの誘導時に細胞内でのCOX-2の発現が上昇し、アラキドン酸からのProstaglandin-2(PGE2)の産生も亢進することが確認された。これらの実験結果を元に、酸化ストレスがアラキドン酸カスケードに与える影響を解析した結果、細胞内の酸化ストレスを亢進させた場合、アラキドン酸カスケードの調整によって酸化ストレス抵抗性分子である Nuclear factor-erythroid 2-related factor 2(Nrf2)の発現を亢進させ、細胞がフェロトーシスからの生存を図っていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フェロトーシスを利用した抗がん剤の開発は昨今注目されており、新しい治療法が生まれつつある状態である。申請者らはがん幹細胞に関する研究から、その治療抵抗性のメカニズムとして活性酸素に起因する鉄依存性細胞死(フェロトーシス)を回避する機構が重要であることをつきとめている。その中で、フェロトーシス誘導性抗がん剤における抵抗性のメカニズムなどの解明が進むことで、より本開発が進むことが見込まれる。その上において、今回のようなフェロトーシスに関わる分子の発現解析は対処患者の絞り込みや、治療法の改善方針なども含めて大きく貢献できるため、社会的意義は非常に高いものと考える。
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