研究課題/領域番号 |
20K23013
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
前田 由佳利 北海道大学, 大学病院, 医員 (40884622)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | カーボンナノホーン / ミノサイクリン / インプラント周囲炎 / 局所薬物送達療法 / 動物実験 |
研究開始時の研究の概要 |
炭素のみからなる新素材であるカーボンナノホーン(CNHs) は,物理的ならびに化学的特性とともに高い生体適合性を有することから,生体材料への応用が期待されている.申請者らは,歯科口腔領域で汎用されているミノサイクリン塩酸塩(MC)と複合(MC/CNHs)することにより,疎水性であるCNHsの分散に成功し,MCの抗菌性を十分に保持したままCNHsからMCを徐放させることに成功した.本申請においては,口腔インプラント治療への臨床応用を目的として以下の2点を行う. 1)MC/CNHsのin vivoでの安全性と効果の検証. 2)CNHsへ新たに担持可能な薬剤の探索.
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研究成果の概要 |
生体吸収性ハイドロゼラチンゲルを用いて,ゲル化したMC/CNHsはラット皮下埋入にて炎症性を示さなかった.ラット第一大臼歯抜歯後にTiスクリューを即時埋入し,4週経過後にリガチャーワイヤーを歯肉溝に巻いて歯周炎モデルラットを作製した. CNHsとの複合体においてクロルヘキシジン(CHX)・塩化ベンザルコニウム(BAC)・レボフロキサシン・FGFの作製に成功した.NIH-3T3を用いた細胞培養ではFGF/CNHsは細胞毒性を有せずFGFの効果を保持していたが、S.mutans菌を用いた菌培養ではCNHsに担持させることでそれぞれが持つ消毒作用を減弱させる可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ラット皮下に化学架橋剤不使用の生体吸収性ハイドロゼラチンゲルに包埋したMC/CNHsを注入し,炎症を惹起しなかったことから,in vivoでの安全性が確立された.CNHsと薬剤を複合体とすることでCNHsの分散性を向上させ,さらに静菌作用等の付帯効果を与えることが可能となった.この特徴を用いてインプラント周囲炎への局所薬物送達療法への応用が期待できると考えている.
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