研究課題/領域番号 |
20K23018
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
峰岸 沙希 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (00882820)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 年齢推定 / ラセミ化 / 象牙質 / アスパラギン酸 / 酵素 / 失活歯 / AST / 法歯学 / 法医学 |
研究開始時の研究の概要 |
身元不明死体における年齢推定は極めて重要な検査項目であり、生化学的手法である象牙質アミノ酸ラセミ化法による年齢推定幅は数歳とされる。しかしながら、本法は実務に広く応用されていない。その原因に、手技の煩雑さに加え、検査ごとに検量線作成のために検査対象歯と同歯種の幅広い年代の歯を収集する必要が挙げられる。本研究では、ラセミ化反応が熱および酵素により変化する性質に着目した。象牙質粉末に熱および酵素を用いることで、ラセミ化率を人工的に変化させ、歯を収集することなく、幅広い年代に相当するラセミ化率を持った標準試料を開発する。
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研究成果の概要 |
アミノ酸ラセミ化法による年齢推定に用いる標準試料の開発を目的として、象牙質粉末から抽出したアミノ酸試料に対して、アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)を作用させ、AST量、反応時間及び基質量の違いによるラセミ化率の変動を調べた。その結果、短時間でラセミ化率が上昇および減少することを確認し、標準試料作成が可能であることが示唆された。また、抜去歯として比較的入手しやすい失活歯のラセミ化率について、生活歯と比較検討したところ、失活歯のラセミ化率は高いことが確認され、治療歯のラセミ化率は変化する可能性が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ラセミ化法による年齢推定は精度が高い方法として知られているが、手技が煩雑であることや検量線作成のために同歯種の幅広い年代の抜去歯収集が必要になることから実務に積極的に応用されていない。我々はこれまで高温加熱によって人工的にラセミ化率を変えられること明らかにしてきたが、より簡便で安全な方法の開発が必要と考えてきた。本研究では、ASTに着目し、酵素量、反応時間および基質量を変えることで、短時間で安全にラセミ化率の上昇および減少を確認できたことは学術的および社会的意義が大きいと考える。また、失活歯の応用を考える上で、生活歯とはラセミ化率が異なることを明らかにできた点も意義あるものと考える。
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