研究課題/領域番号 |
20K23021
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
加地 博一 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 特任助教 (50881588)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 顎骨骨髄炎 / 複合感染症 / メタ16S解析 / 共起ネットワーク / メタゲノム解析 / メタトランスクリプトーム解析 / メタトランスクリプトーム / 顎骨骨髄炎細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,複合の細菌が関与して発症すると疾患の一つである顎骨骨髄炎の病原因子をメタトランスクリプトーム解析を応用して解明する。①顎骨骨髄炎細菌叢における細菌の活動性を,実際の細菌活動性を反映したmRNAの発現量を調べるメタトランスクリプトーム解析によって明らかにする.②さらには病期の進行に伴って有意に発現量が変動する機能遺伝子を評価し,顎骨骨髄炎の病原因子を同定する.顎骨骨髄炎重症化の鍵となるコア・マイクロバイオームを再評価して従来の抗菌薬治療を見直すだけでなく,疾患特異的でかつ病原性を示す機能遺伝子を同定することで,抗菌薬に依存しない新たな治療方法を構築することを目的とする.
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研究実績の概要 |
慢性顎骨骨髄炎(COMJ)とは、顎骨の炎症であり、複合感染症のひとつであると考えられている。我々は以前、口腔内に露出していない腐骨分離期をステージIIとして3つのステージに分類した。ステージIIのCOMJは細菌組成の多様性が低いことが示され、COMJ発症の過渡期における微生物叢の重要性が示唆された。しかしながら、COMJにおける微生物叢内の細菌活性についてはほとんど知られていない。本研究では、活性の高い細菌を同定するために、COMJにおける細菌のRNA:DNA比を調べた。サンプルからDNAとRNAを抽出し、16S rRNA遺伝子に基づく細菌組成を求めた。8つの門が優勢であったが、その構成はサンプルによって多様であった。属レベルでも多様な組成が観察された。しかし、アクチノミセス属とフソバクテリウム属のRNA:DNA比は、ステージIIでは極めて高かったが、ステージIとIIIではほぼ0であった。これらの属はこれまでCOMJの主要な病原体とは考えられていなかったが、今回の知見はCOMJの病因にこれらの属が関与している可能性を示唆するものであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
手術で腐骨除去に至るStage IIの骨髄炎症例が少なく、目標とする症例数に至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き症例を増やし、解析を継続する。
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