研究課題/領域番号 |
20K23024
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮川 和晃 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (50635381)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 口腔扁平上皮癌 / 骨破壊 / 破骨細胞 / 口腔癌 / がんの骨病変 / 口腔がん / 癌ー間質相互作用 / 癌-間質相互作用 / 骨吸収 / IL-6 |
研究開始時の研究の概要 |
歯肉に発生するがん(扁平上皮癌)は歯肉癌とよばれ、癌細胞は癌組織内やその周辺に骨吸収を生じさせる破骨細胞を誘導し、顎骨を破壊させながら深部へと進展する。この骨破壊には積極的に骨破壊する浸潤型と骨破壊が緩慢な圧排型に分類され、治療計画を決めるうえで重要な特徴である。しかしながら、この骨破壊の違いがどうして発生するのかという科学的根拠はいまだ不明である。本研究は、歯肉癌の骨破壊は癌細胞の性質が破骨細胞の活性化に違いをもたらすと考え、癌細胞から分泌されるIL-6の量と破骨細胞の性質がどのように変化するのかについて、2種類の歯肉癌マウスモデルを作成・比較することで明らかにしてゆく。
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研究成果の概要 |
口腔扁平上皮癌の顎骨内浸潤は、破骨細胞の異常な活性化によりが虫喰い状の骨吸収を示す病態と、緩慢に骨吸収が進行するものに大別される。本研究は口腔扁平上皮癌の骨吸収様式を決定する分子機序を解明するために病態モデルマウスによる解析を行った。マウス扁平上皮癌細胞株(SCC VII)の2亜株をC3Hマウスの頭頂骨骨膜近傍に播種し、腫瘍(破壊型、緩慢型)が形成されるシンジェニック担癌モデルマウスを作成・表現型を比較した。その結果、細胞性免疫に関与する液性因子Xの浸潤型における発現が圧迫型よりも多く、液性因子X を高発現する腫瘍細胞は腫瘍組織内Tリンパ球に依存した骨吸収を促進させる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国における口腔がんの患者数は近年急増している。歯肉癌と呼ばれる口腔扁平上皮癌の顎骨浸潤には浸潤型と圧迫型に大別され、治療法の選択や予後の予測に重要である。本研究は骨破壊の表現型によって腫瘍内に起きている状況を探索した結果、破骨細胞形成に関わる免疫機構に違いがあることを見出した。この結果は顎骨浸潤を伴う口腔扁平上皮癌の新規治療や予後を予測するための検査に応用することができる可能性を含んでいる。
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