研究課題/領域番号 |
20K23032
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
島袋 将弥 九州大学, 歯学研究院, 特任助教 (40883434)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 抗菌性 / 炭酸アパタイト / 骨補填材 / リン酸銀 / 最大無影響量 / 感染症予防 / 感染症治療 / 骨再生 / 細菌感染 / 抗菌元素 / 銀 / 硬組織再生 / バイオフィルム / 溶解析出法 |
研究開始時の研究の概要 |
骨再建術に伴う感染症が問題視されており、骨補填材への抗菌性付与が求められている。申請者らは、前駆体用いた溶解析出反応によって、アパタイト系材料表面が銀系化合物に組成変換されることを明らかにした。本研究では上記反応を応用し、骨再建と同時に感染症を防止する「抗菌性炭酸アパタイト骨補填材」の創製に取り組む。
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研究成果の概要 |
炭酸アパタイトと広域の抗菌スペクトルを示す銀系化合物の併用は、骨再生と感染予防に有用である。本研究では、骨再生に影響を及ぼさないリン酸銀の最大無影響量の導出と、その結果に基づいて、炭酸アパタイトハニカム表面をリン酸銀修飾した。結果として、0.1 wt%リン酸銀を含有する炭酸アパタイトは、骨芽細胞の接着、増殖、酵素活性、石灰化に無影響であり、in vivoで炎症反応を伴うことなく骨再生することが明らかとなった。すなわち、リン酸銀の最大無影響量は0.1 wt.%であった。さらに炭酸アパタイトハニカム表面を0.1wt.%以下のリン酸銀で修飾すると、in vivoで骨再生と感染予防とを同時に達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超高齢社会への突入を契機として、骨補填材を用いた硬組織再建術が急増しており、これに伴い、骨補填材の埋植を原因とした細菌感染症が益々深刻化している。本研究成果は、銀系化合物を利用した抗菌性炭酸アパタイト骨補填材の創製を通じて、骨領域における感染症の治療・予防に貢献しうる医療機器を提案することができた。また本研究より得られた知見は、銀系化合物の生体内利用、とくに硬組織での使用に関して基盤的知見となる。さらに本研究成果は、毒性学に基づいた新たな材料設計指針を提案し、抗菌性医療機器開発の一助となることが期待できる。
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