研究課題/領域番号 |
20K23033
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
吉本 怜子 佐賀大学, 医学部, 助教 (70878181)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 創傷治癒 / 口腔粘膜 / イオンチャネル / メカノセンサー / アクチン / ミオシン / 細胞移動 / 上皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
傷は速やかに治癒することが望まれる。口腔粘膜は傷を受けやすく多様な刺激に曝される一方で、治癒は皮膚よりも速やかで瘢痕が少ない。ゆえに、口腔粘膜の速やかな創傷治癒機構の解明は、新しい治癒促進法や再生療法へ繋がると考えられる。私たちは、口腔粘膜に常に加わる伸展や圧縮などの機械的刺激により活性化するメカノセンサー陽イオン透過性チャネルが、創傷治癒に関わるとの仮説の下に研究を進める。 transient receptor potential vanilloid 4 (TRPV4)、 Piezo1, Piezo2 に着目し、これらメカノセンサーの活性化が創傷の速やかな治癒を導く機序を時間的・空間的観点から明らかにする。
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研究成果の概要 |
口腔粘膜の治癒は皮膚よりも速やかで瘢痕が少ない。ゆえに、口腔粘膜の速やかな創傷治癒機構の解明は、口腔を含む全身における新たな治癒促進法を見出す手がかりとなりうる。私達は、口腔粘膜に機械刺激感受性のメカノセンサー陽イオンチャネルの発現を見出したことから、本研究では創傷治癒過程へのメカノセンサーの関与を明らかにすることを目指した。培養口腔上皮細胞を用いた超解像レベルの観察により、メカノセンサーイオンチャネル分子が特定の細胞骨格と関連すること、細胞の集団移動を調節することが明らかとなった。さらに、それらがマウス口蓋創傷モデルの創治癒に関連する上皮においても機能していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
創傷からの速やかな治癒は、けが、手術後、褥瘡など多様な局面で課題となる。本研究では、重層扁平上皮の創傷治癒モデルとして、マウス口蓋創傷モデルを採用した。そして、粘膜上皮の治癒過程において重要な役割を果たす上皮の集団移動におけるメカノセンサーの関与を見出した。メカノセンサーの制御が治癒促進に関わることが示唆される結果が得られたことから、局所的かつ時間的なメカノセンサーの調節を標的とした治癒促進薬剤の応用が想定される。
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