研究課題/領域番号 |
20K23065
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
松島 英輝 昭和大学, 歯学部, 特別研究生 (80882406)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 軟骨細胞 / FIB-SEM / 細胞死 / 三次元画像解析 / 軟骨 / 電子顕微鏡 / 細胞分化 / 3次元構造 / 骨 / 走査型電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで軟骨細胞死の特徴が不明であった原因として、①in vitroで肥大軟骨の細胞死を再現できない、②従来の電子顕微鏡では二次元画像しか得られず細胞死を詳細に理解できないことが挙げられる。申請者は最先端技術であるFIB-SEMおよび3D解析ソフトを用いて解析することでこの問題を解決する。すなわち、実験動物の成長軟骨を切削し、静止、増殖、肥大および細胞死中の軟骨細胞の3D画像を構築すれば、核をはじめ、ゴルジ装置、ミトコンドリアなどの細胞内小器官の廃滅状況を、あらゆる方向から三次元的に解析することが可能となる。これにより、軟骨細胞における新しい細胞死の詳細を明らかにする。
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研究成果の概要 |
軟骨細胞の細胞死がいかなる過程を経て誘導されるか解明するため、マウスの軟骨組織をFIB-SEMおよびコンピュータを用いて解析し、静止、増殖、肥大および細胞死中の軟骨細胞の3D画像を構築することに成功した。成長軟骨の軟骨細胞のサイズは遠心に向かうにつれ大きくなった。骨髄に存在する他の細胞種に比べると、細胞内部の細胞小器官が少なく、水分に富んだ細胞質で満たされていたが、細胞死に近い細胞の内部には空砲が多数観察された。これらの結果は、軟骨細胞に特有の細胞内変化と細胞死の過程が存在することを示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、軟骨細胞の細胞死の過程の一部が明らかにされた。特に、三次元的な細胞の形態の変化を詳細に解析できたことは、骨代謝研究領域における軟骨細胞の細胞死の分子生物学的な解明に貢献するとともに、関節リウマチなどの軟骨破壊を伴う疾患の発症メカニズムの解明にも役立ち、将来、これらの疾患の新しい治療方法や新薬の開発に役立つ可能性がある。また、今回の研究に使用したFIB-SEMの有効性についても研究者間で認識が高まり、さまざまな研究領域でこの手法が用いられることが期待される。
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