研究課題/領域番号 |
20K23067
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
|
研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
竹澤 晴香 (山口晴香) 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 講師 (00756942)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 光免疫療法 / DDS / IR700Dye / Affibody / 口腔癌 / EGFR / 癌細胞 / HER2 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、タンパク小分子(Affibody)を用いた新しい光免疫療法の開発である。光免疫療法とは、癌細胞に過剰発現する分子(EGFR等)に結合する抗体と光感受性物質(IR700)の結合体を近赤外光で活性化させ、標的癌細胞のみを死滅させる癌治療法である。本研究では抗体の代わりにわずか6-7kDaのAffibodyを用いることで、従来の光免疫療法では治療不可能な癌に対し治療効果を発揮させる。初めに、EGFRに対するAffibodyとIR700の結合体が癌細胞へ到達することを確かめる。次に、近赤外光を照射し癌細胞の生存率を求め治療効果を確認する。さらに、動物実験を行い生体内での効果も検討する。
|
研究成果の概要 |
光免疫療法とは、癌をターゲットとする抗体(mAb)とIR700の結合体を標的癌細胞表面の受容体に結合させ光を当てると癌細胞だけが死滅する新規の癌治療法である。本研究では、抗体の代わりにタンパク小分子 (Affibody) を用いることで、腫瘍深部への到達効率を上げたり癌細胞に対するより厳密な結合を可能にし、光免疫療法の治療対象を広げることを目的としていた。研究成果としては、EGFR過剰発現癌細胞においてAffibody-IR700結合体による光免疫療法で癌細胞をほぼ死滅させ、さらにmAb-IR700結合体併用の光免疫療法によって、治療効率を上げることが出来た。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク小分子(Affibody)を用いた光免疫療法を可能にしたことで、従来のモノクローナル抗体を用いた光免疫療法では対象となりにくい種類の癌もターゲットとなることを示すことが出来た。例えば、これまで繰り返し治療を必要としていた大きな腫瘍に関してはタンパク小分子が深部までの到達を可能にし、脳腫瘍についても効率的に血液脳関門を通過することで治療出来る可能性が示唆された。血液脳関門の通過効率についてはさらなる検討が必要であるものの、細胞レベルの実験では有効な結果が得られており、今後動物実験においても効果を確認していく。
|