研究課題/領域番号 |
20K23068
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
大木 調 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (60878255)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 低栄養 / 乳歯 / DOHad説 / DoHad説 / 生活習慣病 / DOHaD / Tenascin / 象牙質 |
研究開始時の研究の概要 |
DOHaD (Developmental Origins of Health and Disease) 説とは、胎児期から乳幼児期における種々の環境が、成人となってからの疾病発症リスクに影響することを疫学研究ベースに唱えた学説である。本課題では、低栄養負荷の仔マウスを作出し、臼歯象牙質に現れる既知の象牙質基質蛋白やTenascin C蛋白の象牙質発現パターン異常と低栄養状態との関係を明らかにする。さらにヒト脱落乳歯を用いて検証を行い、ヒトの調査でも応用できることを示す。DOHaD説をヒトで検証するための有益なツールとして乳歯解析の実用性を示し、将来の疾病発症リスクが予測可能となることを目指す。
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研究成果の概要 |
歯胚形成期である胎生13.5日齢から生後32日齢までの正常マウス歯胚におけるTenascin Cの発現を免疫組織化学染色にて観察したところ、発生期の胎生13.5日齢から胎生15.5日齢の歯乳頭、象牙芽細胞層には強く発現が観察され、その後発現が弱くなっていた。生後10日齢のマウスでは、象牙前質にTenascin Cの発現が観察され、石灰化象牙質では明らかな発現を認めなかった。ヒト組織においては、脱落乳歯の象牙質におけるTenascin Cの発現の確認を行ったが、マウスに観察されたような象牙基質に染色される像は確認できず、象牙細管に沿った染色が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胎児期および出生後早期の低栄養環境が、成人期・老年期における生活習慣病のリスク要因となり得るというDOHaD説は、ヒトを対象とした出生コホート研究により実証されてきた。これまでの栄養評価は、主に出生時体重によってなされてきたが、出生時低体重の要因は早産、多胎、母体喫煙など様々であり、栄養状態の評価として体重だけでは不十分である。近年盛んに行われているゲノム解析に加え、過去の栄養状態を現時点で知るツールがあれば、DOHaD説の検証研究は飛躍的に進歩する。本研究により、胎児期、小児期に将来の健康寿命を予測できるようになれば、成人病予防を推進することに大きく寄与すると考えられる。
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