研究課題/領域番号 |
20K23090
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
岩本 理恵 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (60779875)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | キセノンガス / 静脈内鎮静法 / 吸入麻酔薬 / キセノン |
研究開始時の研究の概要 |
キセノン(Xe)は理想の吸入麻酔薬だが、高価であり普及していない。本研究ではXeの心機能抑制及び呼吸抑制が少ないことに注目し、静脈内鎮静法(IVS)への応用を目的にする。歯科領域のIVSは呼吸抑制・反射抑制が起こり誤嚥や呼吸停止の可能性もある。有病者では心機能抑制、循環虚脱、心停止のリスクが増す。したがって呼吸・循環抑制のないIVSが可能となれば理想的である。鎮静法でのXe必要量は全身麻酔よりも低用量で、さらに静脈内投与は吸入よりも少量での奏功が推測されることから、Xeの低コストが期待できる。 本研究の意義は、Xeの画期的なIVSへの応用の可能性、呼吸・循環抑制のないIVSの可能性である。
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研究成果の概要 |
本研究では、キセノン(Xe)を静脈内投与することで麻酔鎮静効果が得られることを明らかにすること、これによりXeの特徴である迅速な麻酔作用、心機能および呼吸抑制が少ない利点をもつ静脈内鎮静(IVS)の臨床応用への実現を目的とした。 まずXe溶解液の作製から着手した。Xeの溶媒としてはXeの高い脂溶性に着目し、脂肪乳剤を用いた。また、気体の溶解度を高めるため、加圧・冷却可能な特性ガラス容器に脂肪乳剤とXeを添加し加圧した。同時にこの容器自体を冷却・振盪を行うことでより高濃度のXe溶解液を作製した。次に、このXe溶解液をマウスへ静脈内投与を行ったところ、麻酔鎮静効果が得られることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで理想の吸入麻酔薬とされていたものの高価であることから臨床普及が進んでいなかったXeを吸入麻酔薬としてではなく、静脈麻酔薬として用いることでIVSへの応用の可能性を見い出すことである。これまでの研究により、溶媒として脂肪乳剤を用い、気体の溶解度を大きくするために加圧・冷却を行うことで、より高濃度のXe溶解液を作製し、実際にマウスへ静脈内投与することで麻酔鎮静効果が得られることを確認した。 Xe溶解液によるIVSが心機能および呼吸抑制が少なく、麻酔深度の調節性が優れていることが明らかになれば、Xeの画期的なIVSへの応用が可能となり、麻酔の概念を大転換させるパラダイムシフトが期待できる。
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