研究課題/領域番号 |
20K23092
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
中井 健人 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (00880444)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 睡眠時ブラキシズム / ヒトiPS細胞 / 疾患特異的iPS細胞 / HTR2A / 遺伝子多型 / セロトニン2A受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
睡眠時ブラキシズム(SB)は睡眠中の非機能的な顎運動であり, 歯科領域における患者QOLの低下を招く原因であるが, 詳細な発症機序は未だ明らかではない. 過去にセロトニン2A受容体遺伝子(HTR2A)の一塩基多型がSBの発症リスクに関与することが報告されているが, これらの標的は脳内に存在することから, 直接的な検証は困難とされてきた. 本研究では, 先行研究にて樹立されたSB特異的iPS細胞と, HTR2A陽性ニューロンのモニタリングシステムを応用し, 標的ニューロンに特異的な異常パラメーターを遺伝子発現解析・カルシウムイメージングによって検出し, SB発症機序の解明を目指す.
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研究成果の概要 |
睡眠時ブラキシズム(SB)の発症機序は未だ明らかではない.先行研究において,セロトニン2A受容体遺伝子(HTR2A)の一塩基多型がSBの発症リスクに関与することを報告した.本研究は,SB特異的iPS細胞由来HTR2A陽性ニューロンの定量的,定性的解析を行った.HTR2A陽性ニューロンは全細胞中の約24%で,これらはグルタミン酸作動性,GABA作動性,コリン作動性ニューロンであることが明らかとなった.さらに,ホールセルパッチクランプ法を用いた解析を行い,能動的膜特性の一部パラメーターに有意差を認め,リスクアレルを有するiPS細胞(SB株)由来のニューロンの興奮性の増加が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
睡眠時ブラキシズム(SB)は睡眠関連運動障害の一種であり,その過大な咬合力は患者のQOLを著しく損なう可能性がある.そのため,歯科治療の予後を考える上でSBのマネジメントは非常に重要であると言える.本研究成果は,リスクアレルを有するSB患者の一部ニューロンの興奮性の変化を示唆するものであった.今後これらの異常パラメーターが細胞間ネットワークに及ぼす影響を検証, 再現することができれば, 治療薬開発など将来的な臨床応用にも寄与できると考える.また,セロトニン2A受容体は様々な神経系疾患との関連も報告されていることから,本研究成果は歯科領域のみならず,医科領域への波及効果も大きいと考えられる.
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