研究課題/領域番号 |
20K23100
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
木下 直哉 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (80881086)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 頭頸部再生 / ナノゲル / 生体材料 / 筋組織再生 / スフェロイド / マイクロスフィア / 頭頸部筋組織再生 / 口腔がん / ハイドロゲル |
研究開始時の研究の概要 |
口腔領域における悪性腫瘍切除後の患者では、手術後の移植組織(皮弁)の萎縮など様々な原因により構音・嚥下障害が生じる。術後のQOL向上や誤嚥性肺炎などの防止の観点からも舌などの筋組織再生の臨床的需要は極めて高い。本研究では多糖からなるゲル微粒子である「ナノゲル」を集積したポーラスハイドロゲルを基に、より欠損形態をより考慮した材料開発を行い、生体内移植をした後の機能評価まで進めることを目指す。本研究による成果は術後患者の構音・嚥下機能回復や誤嚥性肺炎の発生率減少に寄与すると考えられる。
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研究成果の概要 |
以前の研究において生体分解を有するナノゲル架橋ハイドロゲルの作製を行ったがや強度不足や架橋時間が長いこと、移植時の操作性など課題が多く残っていた。そこで本研究期間ではこのような課題の克服を目的とした材料開発と機能評価を行ってきた。音響波や光照射のような外部刺激による架橋構造制御を行い、以前より短時間かつ生体筋組織と同様の力学的特性を有するハイドロゲルの作製に成功した。新型コロナウィルスの影響により生体内での実験にやや遅れが生じてしまったものの、研究期間の最終年度では生体内でのゲル移植実験を行い、高い生体親和性と分解挙動を確認することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
頭頸部癌の中でも舌癌の症例では術後に構音障害や嚥下障害が生じることがある。リハビリや口腔内装置による機能代償しか手段がないのが現状であり、これらを用いても回復困難な場合もしばしば認める。喪失した舌筋組織再生はこのような機能障害に対する新たな治療法といえる。 本研究において着目しているナノゲルは内包したタンパクを生体内で徐放する機能があり他の生体材料にはない特徴である。筋組織と同様の力学的性質を持つことから、舌のような筋組織再生に適した材料であると考えられる。ナノゲルによる舌筋組織をはじめとした術後機能障害に対する新たな治療法の確立に貢献しうることが研究の社会的意義である。
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