研究課題/領域番号 |
20K23107
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大森 江 岡山大学, 大学病院, 医員 (30884879)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 筋電図 / ブラキシズム / 機械学習 / 生体情報 / 識別 / 睡眠時ブラキシズム / 生体情報識別 / 筋電図識別 / 自動識別 / 隠れマルコフモデル |
研究開始時の研究の概要 |
睡眠時ブラキシズムと嚥下時の咬筋筋電図波形に特徴的な所見が存在するという事実に着目し,睡眠時ブラキシズムと嚥下時 の筋電図波形の識別が可能なのか,という問いについて筋電図波形を音響信号と解釈することで,音声信号のクラス分類に用いる隠れマルコフモデルの応用が可能となることから,確率論的に識別(定量化)する手法について検証する。この際,嚥下以外の掻痒,体動といった 非特異的な運動についても併せて検討し,新規睡眠時ブラキシズム評価法の開発への足がかりとする。
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研究成果の概要 |
従来の評価基準では,ブラキシズムによる歯への機械的負荷を信頼性高く診断できるか疑問が残る。そこで我々は,各種ブラキシズム時や,嚥下,掻痒,体動時の筋電図を客観的に識別することが出来ないかと考えた。そのような中,筋電図を高次元のベクトル化することで,ベクトル値の変化(特徴量)を識別する手法を応用することで筋電図の識別が可能か試みた。 その結果,今回の識別システムでは,咬筋EMGを使用した場合,歯の接触を伴う歯ぎしり運動と非歯ぎしり運動の識別あ高い精度で可能であることが明らかとなった。さらに,両側舌骨下筋群と皮膚伝達音を加味した解析モデルでは,更に識別精度が高まることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在,簡易筋電計による睡眠時の筋活動測定が広く行われている。そのため,本研究成果を基盤としてブラキシズムの詳細な測定精度の向上,社会実装が可能となった暁には,歯への機械的負荷を定量的に把握することが可能となる。これにより補綴装置の予後予測や適応症の診断,歯根破折リスクの診断が可能となることから,歯科臨床を大きく改変する可能性を有している。 また,睡眠時/覚醒時ブラキシズムの生理学的理解や各種の治療法への反応性について検討を行う際にも,本研究結果は評価方法として活用できることから,口腔生理学,睡眠歯学,口腔運動学への学問的貢献も大きいと言える。
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