研究課題/領域番号 |
20K23110
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
田仲 由希恵 岡山大学, 大学病院, 医員 (20884836)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | BMP-2 / 骨髄形成 / 細胞トラッキング技術 / オプトジェネティク / オプトジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
BMP-2背部皮下移植により形成された異所性骨の解析を 行った結果,骨髄において造血幹細胞ニッチを形成し,間葉系幹細胞 (MSC)としてもはたらくCXCL12- abundant reticular cells (CAR 細胞)が存在することを発見し,BMP-2が骨髄形成能をもつ可能性を見出した.BMP-2によって異所性に誘導されたCAR細胞は正常な骨髄と同様に造血幹細胞ニッチの機能を有しているか,またBMP-2によりどのようにしてCAR細胞が動員・誘導されるのかは不明である.本研究では,細胞トラッキングとオプトジェネティクスというマウス遺伝子工学技術を応用し骨髄形成メカニズムを解明する.
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研究成果の概要 |
骨の主要な役割として,造血が知られている.しかし,rhBMP-2により形成された骨が造血器官として機能しているかは不明である.そこで本研究では,BMP-2誘導骨の細胞構成や造血機能を詳細に検討した. 組織学的,フローサイトメトリー解析の結果,BMP-2誘導骨には,大腿骨と同様,類洞構造を有し,骨芽細胞や破骨細胞のみならず,造血幹細胞や様々なprogenitor細胞が存在していた.また,BMP-2異所性骨に存在する造血幹細胞は,造血機能を有していることを,骨髄移植実験にて確認した.以上の結果より,BMP-2は生理機能を有した骨髄を形成することが可能な蛋白質あることが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
BMP-2の強力な骨形成能は周知の事実であるが,骨髄形成能という新たな機能を見出し,そのメカニズムを解明する研究は世界的にも皆無であり,本研究は学術的独自性が非常に高いと考える.また,骨髄ニッチ形成細胞の一つであるCAR細胞がMSCとしての機能を持ち合わせており,MSC移植が免疫疾患治療として臨床応用されていることから考えると,CAR細胞の動員・誘導のメカニズムを明らかにすることは,骨免疫学と骨髄生物学を融合した新たなCAR細胞生物学やそれに基づく治療法を創造することに貢献できる.
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