研究課題/領域番号 |
20K23118
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
笹間 雄志 昭和大学, 歯学部, 助教 (90878464)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 活性硫黄分子種 / 骨成長 / 成長板軟骨 / 骨形態計測 / イオウ / 軟骨 / 成長板 / イオウ呼吸 / 軟骨細胞 / CARS2 / SQR |
研究開始時の研究の概要 |
骨の伸長は、骨端部の成長板軟骨で起こる。成長板の軟骨細胞が長軸方向に盛んに増殖を繰り返すことで骨の伸長が誘導される。 しかし、成長板軟骨には血管が存在せず酸素供給が少なく、成長板内の軟骨細胞が酸素を使用せず嫌気呼吸のみで分裂のためのエネルギーを賄えているとは考えづらい。 最近になり酸素ではなくイオウを利用したエネルギー産生機構であるイオウ呼吸が哺乳類の細胞にも存在していることが報告された。 我々は低酸素環境下にある軟骨細胞はイオウ呼吸で増殖のためのエネルギーを得ていると考え、その仕組みを解析している。
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研究成果の概要 |
骨の伸長は、骨端部の成長板軟骨細胞が増殖・分化することで誘導される。血管が存在せず、低酸素環境にある成長板で軟骨細胞がいかにして増殖に必要なエネルギーを得ているかは、生命科学における大きな謎のひとつである。最近、哺乳類のミトコンドリアで硫黄呼吸の存在が示唆された。そこで、硫黄呼吸に必要な活性硫黄分子種産生の基質供給源としてシスチンを多く含む飼料がマウスの成長に与える影響を調べた。8週齢のマウスをシスチンを12倍含む飼料で4週間飼育したところ、肝機能の低下が見られ、肝臓の組織所見から、炎症を起こしている可能性が示唆された。マウスの週齢とシスチンの量・投与方法の検討が必要と考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
成長板軟骨の軟骨細胞の増殖と分化により骨成長が起こる。一方、成長板には血管が走行せず酸素の供給に乏しいことから、軟骨細胞は低酸素状態で増殖に必要なエネルギー産生を行うことができるはずで、その機序を理解することは、成長障害などへの対応に重要な示唆を与える。硫黄呼吸は重要な機序のひとつと考えられる。本研究で、低硫黄飼料はマウスの成長および生存を損なった。硫黄呼吸に必要なシステインの細胞外ソースであるシスチンを大量に含む飼料でマウスを飼育した。技術的な問題から8週齢のマウスで実験を行ったが、上記のような結果が得られた。このような試みは、成長改善方法を見出すために重要と考えられる。
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