研究課題/領域番号 |
20K23131
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
長谷川 奈々子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (00881723)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 老年看護 / 看護倫理 / 高齢者施設 / 尊厳 / 高齢者 / 職員 / 解釈学的現象学 |
研究開始時の研究の概要 |
令和2年度から令和3年度前半にかけて、職員の尊厳に対する視点を得るためのインタビュー調査を行う。令和3年度後半は、まず、職員の尊厳に対する視点を盛り込むことで尊厳の概念マトリックスを具体化する。次に、インタビュー分析において明らかとなった内容を先行研究結果と比較することで、先行研究で提示された入居者が捉えている尊厳と、職員が捉えている尊厳との違いを明らかにする。
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研究成果の概要 |
尊厳の保持は介護保険法にも明示されているが、尊厳あるケアの実践は容易でない。本研究の目的は、尊厳の可視化のためケア職員の視点から尊厳の概念マトリックスを具体化することである。ケア職員に対するインタビューの結果、<職員側の要素>には<<より良いケアの個人的検討>><<介護と医療的な視点を統合した判断>><<十分な同意なく施行せざるを得ないケアの困難感>><<施行したケアの内省>><<職員の尊厳よりも入居者の尊厳を優先する感覚>><<入居者の反応に対する個人的感情>><<職員自身の私生活>>というサブカテゴリーが含まれ、入居者の視点に比べ、より具体的なサブカテゴリーが含まれていることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はケアにおける尊厳に関する日本ベースの知見を増やすことに貢献した。さらに、ケアにおける尊厳の要素を具体化することができたため、今後臨床や介護現場に具体的な尊厳あるケアを提示することにつながると考える。また、入居者の捉える尊厳と職員が捉える尊厳とには関連のある部分と異なる部分が示され、このことは尊厳あるケア実践の困難さの解明に向けた一助になると考える。職員は十分な余裕がない中で尊厳あるケアを提供することには大きな苦労を伴い、尊厳を損なうようなケアしかできないときには職員自身の尊厳が脅かされることが示されており、本研究は入居者だけでなく職員の尊厳を守ることにも貢献すると考える。
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