研究課題/領域番号 |
20K23141
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
市川 勝 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (70880566)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 失語症 / トーキングマット日本語版 / 意思決定支援 / 支援付き意思決定 / 権利擁護 / 回復期リハビリテーション / 生活期リハビリテーション / Talking Mats / 目標設定 / 回復期リハビリテーション病棟 / TalkingMats日本語版 / 選好 / 社会参加 |
研究開始時の研究の概要 |
失語症のある人(Person With Aphasia:以下、PWA)の権利擁護の観点から、「PWAの意思や選好を尊重した意思決定支援プログラム開発」のための基礎資料を得ることを目的に、以下の2つの研究を行う。 <研究1>回復期リハビリテーション病棟入院中のPWAの意思決定に対する思いや要望、医療者への期待等に関するインタビュー調査 <研究2>回復期リハビリテーション病棟所属の言語聴覚士およびその他専門職を対象としたPWAの意思決定とその支援に関する意識調査
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研究実績の概要 |
本研究は、失語のある人(Person With Aphasia:PWA)が、自身の意思決定やその支援に対してどのような思いを抱き、医療専門職に何を期待しているのかを明らかにすること(研究1)、およびPWAを支援する専門職が、自身の業務の中でPWAの意思決定をどのように捉え、どのように実践し、どのように他職種と連携しているのか、その実態を明らかにすること(研究2)を目指している。 研究1に関して、2023年度は当初の目標であるPWA10名のうち、4名を対象に半構造化面接を行った。現時点で意思決定とその支援に関連する「語り」であると判断される部分を抽出し、仮のカテゴリ化を試みた。その結果、【自分で決めたい】【情報が欲しい】【退院先を考えたい】といった明確な要望とともに、【今後のことに対する不安】や【自分の思いを汲み取ってもらえないもどかしさ】【スタッフにより対応が異なることへの戸惑い】を感じている事例もあった。また、【自ら支援をお願いすることの難しさ】も感じており、【コミュニケーション支援に関するニーズ】を解決するための【言語聴覚士による支援への期待】も抱いていた。 研究2に関して、2023年度は、昨年度実施済みである回復期リハ病棟に勤務する言語聴覚士を対象とした意思決定支援に関するアンケート調査の結果ならびに専門家の意見をふまえ、調査項目の再検討を行った。予備調査では、①基本情報、②意思決定支援に関する知識、③入院生活における意思決定場面への関与・支援状況、④他職種との連携、⑤研修機会の必要性、の全5項目としていたところ、②の質問項目の表現をより分かりやすくすること、選択肢を増やすこと(Advanced care planningに関すること等)、④の質問文の中に実際の多職種連携の例を付記すること、⑤の研修内容について具体的な選択肢を設けること、等の修正を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始時期とCOVID-19の感染拡大時期とが重なったことにより研究計画が大きく後ろ倒しになった影響が残存している。その中で、2023年度は研究1、研究2ともに修正した研究計画に基づき、実際のデータ採取や分析を一定程度進めることができた。しかしながら、研究1においてデータ採取が目標症例数の4割に留まっていること、研究2の本調査を2023年度中に開始できなかったことから、「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
研究1では、2024年度に入り全ての研究協力施設への立ち入りが可能となったため、選択基準を満たす対象者の抽出を行いながら、目標症例数である10名を目指してインタビュー調査を継続する方針である。また、研究2については、全国の回復期リハビリテーション病棟に対象を拡大したオンラインでのアンケート調査に着手しており、回答用フォームの作成および事務的な手続きが完了次第、調査を開始する予定である。
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