研究課題/領域番号 |
20K23148
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪行岡医療大学 |
研究代表者 |
荒木 智子 大阪行岡医療大学, 医療学部, 助教 (70438109)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 産後女性 / 体力 / 運動 / 心理社会的側面 / 回復 / 身体活動 |
研究開始時の研究の概要 |
日本における初産年齢が30歳を越え、その一方で30代女性の体力低下や運動機会の減少が明らかとなっている。妊娠・出産は心身に多くの影響を及ぼすが、産後の体力・運動能力の回復について、心理社会的側面も含めた実態は明らかでない。本邦は先進国の中でも突出して低い周産期死亡率を実現しているにも関わらず、産後1年間の死因第一位は「自殺」である。このような背景をもとに、本研究では産後女性の体力・運動能力の測定および心理社会的側面に関する調査を行い、産後女性の心理社会的状態を考慮した体力回復プログラムを開発する。産後女性の包括的な健康の質の向上に寄与し、健やかな育児環境を醸成することを目指すものである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、産後女性の体力・身体機能、心理社会的側面の把握を行い、それに基づいた回復プログラムを開発することである。スポーツ庁による新体力テスト、日本整形外科学会によるロコモ度テストを用いて、体力・身体機能を測定し、質問紙調査によって心理社会的側面を把握する。心理社会的側面の指標としては「失体感尺度」を用いて、産後女性における身体感覚について調査を行い、体力・身体機能と合わせて検討している。現在、①体力測定+質問紙調査、②体力測定+質問紙調査+体組成測定、③体力測定+質問紙調査+心理学的視点に基づいた課題の3つの視点より多角的な検討を行っている。 本研究の一部は2019年度より開始し、一部修正を加えながら2020年度以降も測定及び解析を継続している。複数箇所で研究協力を得ることができ、2022年度までに263人の測定・調査を実施した。その成果や関連した内容に関して2022年度は国内学会1学会で学会報告を行い、2023年6月に国際学会でも成果報告をすることが決定している。また現在論文投稿中である。さらに、研究の傍らで地域で展開したオンライン講座等の活動が評価され、表彰を受けた。また関連する内容に関して国内学会5学会で学会報告を行い、その一部は優秀演題として表彰された。 これまでに得た知見は、産後女性の70%がロコモ度1以上に該当し、82%が産後の疼痛を経験していた。また産後のロコモティブシンドローム傾向には年齢、最終出産からの経過期間、 産前の疼痛が関連することが明らかとなった。本研究の対象者はいずれも日常生活を自立して送っている産後女性である。産後女性が体力的に余裕があるとはいえない状態で生活をしており、今後も測定を継続し、公表を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大による影響を受け、研究計画の変更を余儀なくされた。コロナ禍の影響を受け、研究参加者のリクルートに苦渋している点もあるが、研究の進捗状況としては「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究はコロナ禍による影響を考慮し、計画をさらに1年間延長することとした。今年度は測定を継続しながら、回復プログラムの試行、研究成果の公表を進めていく。共同研究を複数進めており、共同研究者と議論を進めながら多角的な視点で女性の健康に関して啓発を進めていく。
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