研究課題/領域番号 |
20K23150
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
|
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
松垣 竜太郎 産業医科大学, 医学部, 助教 (40878344)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 新型コロナウイルス / リハビリテーション / 介護保険 / 新型コロナウイルス感染症 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響を受けて、介護サービス利用者への介護保険下でおこなわれるリハビリテーション(リハビリ)提供量の減少が懸念されている。 この研究計画では、レセプト情報の解析により今般のCOVID-19拡大による介護保険サービス利用者へのリハビリ提供量減少の実態を明らかにする。また、リハビリ提供量の減少とその後の有害事象の発生との関連を明らかにする。さらに、アンケート調査にて介護保険サービス事業者が直面した問題の実態を明らかにし、感染症拡大時にあっても介護保険サービス利用者に対して途切れなくリハビリを提供するための方策を検討する。
|
研究実績の概要 |
令和2年度に実施したヒアリングを基に、令和3年度は通所リハビリ事業所、通所介護事業所、訪問リハビリ事業所に対するアンケート調査を実施し、多くの事業所でサービス利用自粛が生じていること、利用自粛者には身体機能の低下等が生じていることが明らかになった。令和4年度はアンケート調査で得られたデータを更に分析し、サービス利用自粛の要因、感染症流行下における遠隔リハビリテーション(遠隔リハ)の有用性について検証した。 利用者がサービスの利用自粛をした要因は、「利用者がスタッフとの接触を避けた」が70.3%、「利用者が他利用者との接触を避けた」が64.8%、「サービスの利用が不要となった」が4.4%であった。 感染症拡大時において遠隔リハが有効であると回答した事業所の割合は55.8%であった。遠隔リハを実施する上での現状の課題は、「ICT機器を活用できる利用者がいない」が90.3%、「リハ実施時のリスク管理が難しい」が84.1%、「地域の医療機関との連携がとれておらず緊急時の対応が難しい」が64.6%であった。また、遠隔リハを安全に実施する方方法としては、「家族が同席可能な時に実施する」が85.8%、「緊急時の対応マニュアルを設定した上で実施する」が83.2%、「利用者宅に訪問看護師または訪問介護員が訪問している時に実施する」が67.3%であった。 感染症流行下においてはフィジカルディスタンスの確保を目的としたサービス利用自粛が多いことがが明らかになった。フィジカルディスタンスを確保しつつ、利用者にリハビリテーションを提供する手段の一つとして遠隔リハが挙げられるが、遠隔リハを介護保険下で実施するには、1) 家族を含む第三者が利用者宅に在中時に実施する、2) 緊急時のマニュアルを作成する、3) 緊急時に備えて地域の医療機関等との医療介護連携を強化するなどの対策が必要となることが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大状況は変化が続いており、レセプトデータ分析の開始時期を可能な限り遅らせて実施することで計時的な変化を捉えることが可能となると考えて研究の実施を遅らせている。
|
今後の研究の推進方策 |
厚生労働省の提供する介護給付費等実態統計を分析し、新型コロナウイルス感染症流行下における介護保険下のリハビリテーションの提供量の推移を確認するとともに、レセプトデータの分析を通して、サービス利用自粛者にその後生じた問題についての検討を進める。
|