研究課題/領域番号 |
20K23159
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩尾 友秀 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (60772100)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 児童虐待 / 身体的虐待 / 虐待防止 / データベース研究 / データウェアハウス / レセプトデータ / リアルワールドデータ / レセプト |
研究開始時の研究の概要 |
厚生労働省の調査によると、毎年約100人前後の児童が家族からの虐待により死亡している。死亡には至っていないものの、重篤な後遺症や死亡を引き起こす可能性が否定できない外傷を伴う事例は潜在的に相当数存在することが予想される。潜在的な事例の実態について調査することで、今後の児童虐待防止対策のさらなる進展に資する知見が得られると考えられる。 そこで本研究では、実診療で得られたレセプトデータを用いて身体的な傷病を来すような児童虐待がどの程度発生しているのかを調査し、その実態を把握することを目指す。
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研究成果の概要 |
虐待による児童の年間死亡者数は、近年では年間約50件前後で推移している。一方で、死亡には至らないものの、後遺症が残る事例や、同一児童に対して継続的に繰り返されるといった危険度の高い身体的虐待事例の実態はほとんど明らかになっていない。 本研究では、平成24年度から27年度の我が国のレセプトデータを利用し、被虐待児症候群という傷病名を用いて、身体的虐待が疑われる外傷を伴う児童に関して調査した。結果、脳機能障害のように後遺症が残る可能性が高い外傷を伴う事例も一定程度確認できた。危険度の高い虐待事例は相当な数に上る可能性が高く、早急に児童虐待を発見・防止するしくみを検討することの重要性を示唆できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、危険度(重症度)の高い児童虐待事例では、そのほとんどが医療機関で治療を受けざるを得ないう状況に着目した。医療機関で治療を受けた中でも、被虐待児症候群という傷病名が付与されるのは一握りであると思われる。にもかかわらず、調査の結果比較的多くの事例が抽出された。本研究で用いたレセプトデータは、児童虐待の分野ではあまり用いられていない。また、一定以上のデータハンドリング技術も必要になる。限定された条件でしか活用できないように思えるレセプトを用いた調査が、国内及び国際会議で採択された。レセプトデータが児童虐待分野において有効活用できる可能性を十分に示唆できたのではないかと考えている。
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