研究課題/領域番号 |
20K23161
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
安川 純代 岡山大学, 保健学域, 助教 (80618950)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 出産経験 / 東日本大震災 / 精神的苦痛 / トラウマ反応 / 循環器疾患 / 避難 / 女性の健康 / 出産歴 / 精神的ストレス / 社会経済的要因 / 全循環器疾患 / 福島県県民健康調査 / 大規模災害 / 生活習慣病 / 高血圧 / 縦断解析 / ストレス耐性 / ソーシャルサポート / 女性のヘルスケア |
研究開始時の研究の概要 |
大規模自然災害後には精神症状を有する割合が高い。さらに生活習慣病や循環器疾患の発症率も高く、それには精神症状や避難生活でのライフスタイルの変化等心理社会的危険因子の関与が明らかにされている。また、女性は災害直後より精神的ストレスの影響を大きく受け、循環器疾患との関連性も報告がある。しかし、ライフスタイルに大きな違いがあるとされる出産経験の有無に着目して災害後の女性の健康状態を検討した報告はない。そこで本研究では、大規模自然災害後に避難地域に居住していた40-90歳の女性約30,000人を対象とし、避難生活と精神的苦痛、生活習慣病、循環器疾患との関連に出産経験の及ぼす影響について縦断解析を行い検討する。
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研究成果の概要 |
本研究は、2011年に発生した東日本大震災後後の女性における避難生活と精神的苦痛と循環器疾患リスクとの関連について、出産経験の有無による影響を検討した。対象は、震災後に福島県が福島県立医科大学に委託実施した「福島県県民健康調査」の「心の健康度・生活習慣に関する調査」に回答した女性のうち、国が指定した福島県内の避難区域13市町村に居住しているまたは居住経験のある、2012年4月1日に 住民登録のある女性として横断解析、縦断解析を行った。その結果、東日本大震災後、特に出産歴があり避難経験のある女性において、精神的苦痛やトラウマ反応、心臓病への影響が大きく認められる結果となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、地震、津波、原子力発電事故の複合大災害の東日本大震災後に実施された福島県県民健康調査による大規模コホートを用いて、災害後に精神的、身体的健康に対する影響の大きい避難生活を送る女性への影響を出産経験別に検討した研究である。女性は性差による脆弱性から災害後に精神的、身体的側面と社会的側面により影響を大きく受けることがいわれている。本研究から、出産経験のある女性では、災害後における精神的苦痛やトラウマ反応、また心臓病への影響が大きく、日頃からの社会資源や医療体制の充実、特に避難生活での意識的な性別的配慮による対策、家庭内及び社会的役割遂行が継続可能なサポートの必要性と重要性を示唆した。
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