研究課題/領域番号 |
20K23162
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
橋野 明香 広島大学, 医系科学研究科(保), 研究員 (50814125)
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研究期間 (年度) |
2021-02-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | COPD / ストレス / 日常生活動作 / アプリ / 多軸ジャイロセンサ |
研究開始時の研究の概要 |
慢性閉塞性肺疾患患者は、呼吸困難や日常生活動作の低下により自尊心などの情動低下を来し、抑うつ・不安状態を招きやすい。抑うつや不安状態にある患者は生活の質を大きく低下させ、生命予後にも大きな影響を与える。 呼吸困難や日常生活動作を患者が情動ストレスと認知し、その積み重ねが抑うつ・不安状態を招くと考え、本研究では主観的情動変化は尺度アプリを用い、客観的情動変化は心拍と呼吸振動数の分散(σ2)から同時に計測して、情動ストレスを数値化(デジタル化)することとした。本研究により患者が抑うつ・不安状態に陥いる前に、医療者が介入する時期や方法を検討するなど適切な看護支援のための示唆を得ることが期待できる。
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研究実績の概要 |
2022年度は、デバイスで取得した音声データの保存方法やクラウド上への保存内容に関するトラブルを解消した。測定で使用するデバイスは、マイクを通して音声データを保存する際、ステレオではなくモノラルで保存されるため、測定される音声データを適切に解析できにくくなってしまう。そのため、マイクからの入力を増幅させ、左右どちらの音も入力できるよう工夫し、ストレスの主観的データを取得するためのアプリの開発および、客観的データを取得するためのデバイスを完成させることができた。 上記アプリとデバイスの完成をもって、2023年2月より広島大学病院および大成呼吸器クリニックにて対象者のリクルートを開始した。適格基準を満たす8名の患者を紹介していただいたが、うち1名はデバイスの操作方法が困難との理由により、研究への参加を辞退し、もう1名は測定を開始後にデバイスの操作がうまくできず途中で参加を取りやめられた。参加者は最終的に6名であった。現在は、3名の対象者のデータを収集が終了し、残り3名が測定中である。 6名の対象者は、GOLD分類でStage2~3であるが、うち3名が呼吸リハビリと受けているにも関わらず、呼吸法やADL動作に関する指導は受けていないと回答し、残り3名は受けたこともないと答えた。mMRCもステージⅡおよびⅢであり、日常生活において過度な呼吸困難は感じていないと考えられるが、COPDは進行性疾患でもあるため、疾病管理や症状管理に関する教育の必要性があった。 5月末には6名分のデータがすべて収集されるため、客観的データ(呼吸数と心拍数)をHzで分離させ、それぞれを解析しストレス指数を算出し、主観的データをあわせて解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の予定では、昨年1月にはデータ収集を開始しているはずであったが、コロナで十分な研究の準備ができなかったことや、アプリやデバイスの開発途中およびデータ保存方法にトラブルが発生し、トラブル解決に想定以上の時間を要したたため、2023年2月より対象者のリクルートを開始することとなった。 現在3名の対象者のデータ収集が終了しており、引き続き3名の対象者のデータ収集を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
患者登録機関は3月までで、現在6名の対象者が研究に参加しており、3名の対象者のデータ収集が終了した。残り3名のデータは5月末までに収集できるため、データの解析を行い、分析を進める予定である。
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