研究課題/領域番号 |
20K23166
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
中村 晃久 自治医科大学, 医学部, 助教 (00880072)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 救急電話相談 / 地域医療 / 地域住民 / ヘルスリテラシー / へき地 / 高齢者 / 救急医療 / 効率的な地域医療 / 中山間地域 / Population based study / 住民調査 |
研究開始時の研究の概要 |
地域医療では、地域住民が効率的に医療機関を利用できるシステムの構築が求められている。救急電話相談は、地域住民が急な病気を自覚した際に、受診の必要性や手段を電話で医療従事者に相談できる電話トリアージシステムであり、住民への適正な救急医療の利用を促進する。しかし、申請者のこれまでの研究で、日本の救急電話相談は救急医療の需要が高い高齢者を中心に利用が少なく、地域住民によって十分に利用されていないという課題が明らかになっている。本研究は、全体像と地域の現状という視点から、埼玉県全域を対象にした救急電話相談記録を利用したPopulation based studyと秩父市の地域住民調査を実施する。
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研究実績の概要 |
これまでの研究で、日本の救急電話相談は救急医療の需要が高い高齢者の利用が少なく、地域住民によって救急電話相談は十分に利用されていないという課題が明らかになっている。本研究の学術的な問いは、「効率的な地域医療を展開するために地域住民による救急電話相談の利用の向上のあり方はいかなるものか」である。 中山間地域における救急電話相談(Emergency Telephone Consultation: ETC)の認知の割合とその情報源について研究を実施した。埼玉県秩父市大滝に在住の20歳以上の地域住民(646人)を対象に救急電話相談の認知に関する質問紙調査結果について、さらに解析を進めた。415人(64%)から解析に有効な回答を得られ、ETCの認知の割合は、およそ20%程度であった。ETC非認知群 (72歳、四分位範囲:63-83歳)では、ETC認知群 (72歳、四分位範囲:63-83歳)と比較して有意に年齢が高かった。性別については、2群間で有意な差はなかった。ETCの情報源によって、家族や医療従事者といった人を情報源と回答した者を人伝群、人を介さない新聞や広報誌を情報源と回答したものを非人伝群とした。情報源が人伝群である割合は、80歳以上の群で有意に高かった。 この結果は、高齢者では特に認知の割合が低かったが、高齢者は人づてでETCを認知していたことを示唆している。そのため、高齢者の認知率の向上に向けて、人を介した情報提供が大切であると考えらえる。これらは、地域住民の救急電話相談の利用向上に向けた広報戦略を議論する上で、役立ち得る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
地理情報システム(Geographic Information System)であるArcGISを活用できる環境を整えるために、時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
救急電話相談の利用の実態に関する特徴を明らかにするために、地理情報システム(Geographic Information System)であるArcGISを活用して、これまでに得られた研究結果を地図情報に突合させる作業が進んでいる。一部の解析を既に終えており、解析結果は、2023年5月に開催される第14回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会(愛知県)の一般演題として採択され、発表予定であり、論文執筆作業も進んでいる。
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