研究課題/領域番号 |
20K23170
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
松本 紗里 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (20754881)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アクロレイン / 脳梗塞 / クモ膜下出血 / 脳出血 / 死後検体 / 生化学マーカー / 脳虚血 / 脳卒中 / 浴槽内死亡例 / 浴槽内死亡 |
研究開始時の研究の概要 |
日本では浴槽内で死亡する人が多く、原因として脳虚血が示唆されており、その検査方法の確立が法医学分野で強く望まれている。アクロレインは脳虚血患者において血中濃度が上昇する新しいバイオマーカーである。 本研究では、①剖検例におけるアクロレインの測定法の確立と脳虚血特異性の検証、②浴槽内死亡と脳虚血との関連性の検証を行う。 ①脳梗塞、その他の疾患群についてELISAでアクロレイン値を測定し、アクロレイン濃度と死後経過時間、年齢、性別、臓器重量の相関性ついて統計学的検討を行う。 ②浴槽内死亡例、その他の溺死例、脳梗塞例に対し、アクロレイン値、IL-6、CRPを測定し、相関関係をみる。
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研究成果の概要 |
アクロレインは脳梗塞時に生成され、臨床で脳梗塞リスク評価に用いられている。しかし、死後検体においてアクロレイン測定の有用性を検討した報告はごく少ない。本研究では、死後検体におけるアクロレイン濃度を測定し、脳卒中診断に有用であるかを検討した。 脳梗塞、クモ膜下出血、 脳出血と対照例の血清と尿中のアクロレイン濃度をELISAにて測定した。血清中アクロレインは脳梗塞、クモ膜下出血、脳出血例で有意に高値であった。尿中アクロレインはクモ膜下出血と脳出血例で低値であり、尿量増加による濃度希釈の影響と考えた。本研究により死後検体においても血清アクロレイン濃度の測定は脳卒中診断に対し有効であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
浴槽内で突然死する高齢者が非常に多く、原因解明や予防法は長年の課題である。脳虚血が原因という説もあるが、剖検例において急性期脳虚血は診断が困難であり、新たな脳虚血診断法の確立が強く望まれている。アクロレインは脳虚血患者において、血液中濃度が上昇すると言われている物質である。アクロレインが死後検体における脳虚血診断マーカーとなることを証明することで、浴槽内溺死例と脳虚血の関連性を解明し、浴槽内溺予防法の提言に貢献することができる。
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