研究課題/領域番号 |
20K23179
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
朴 将源 関西医科大学, 医学部, 助教 (30755616)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アスピリン / グルタミン / PIK3CA遺伝子 / 大腸がん / PIK3CA大腸癌 / リボソーム / グルタミン代謝 / 低酸素 / PIK3CA / 大腸癌 |
研究開始時の研究の概要 |
抗血小板薬として広く知られるアスピリンは、近年その抗がん効果が注目されている。一方でグルタミン代謝は、「第二のワールブルグ効果」として知られており、がんの発生・生存に深く関与していると言われている。グルタミン代謝がアスピリンに与える影響を解明することで、「がんゲノム・代謝を標的としたアスピリンによるがん精密医療」の基盤を確立することを目的とする。
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研究成果の概要 |
既存のデータベースを用いた解析により、PIK3CA変異大腸がんにおいて、アスピリンがグルタミン代謝と低酸素刺激に関連していることを見出した。網羅的遺伝子発現解析により、PIK3CA変異大腸がんにおいてはアスピリンがグルタミン代謝を亢進させていることと、ミトコンドリアを標的としている可能性が示唆された。アスピリンが転写因子ATF4を介してグルタミン代謝関連分子の発現を誘導していることを分子レベルで解明した。さらに、アスピリンとグルタミン代謝阻害剤を併用することでがん細胞を効果的に抑えることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗血小板薬であるアスピリンは、がんの予防・治療を目的としたドラッグ・リポジショニングの候補薬として注目されている。一方で、アスピリンにも消化性潰瘍や出血といった副作用が存在するため、アスピリンの効果が高い集団を見つけること、ならびにアスピリンをがん治療薬として効果的に使用する試みが必要である。本研究を基盤とすることで、アスピリンを用いた『がんの精密医療 (プレシジョン・メディシン)』を確立するためにはグルタミン代謝に着目する必要があることが見出された。
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