研究課題/領域番号 |
20K23190
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
加藤 茜 信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (90883215)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 緩和ケア / クリティカルケア / 症状緩和 / 終末期ケア / 意思決定支援 / 家族カンファレンス / 看護 / 救急看護 / 集中ケア / クリティカルケア看護 / 看護実践 / 知識 / 認識 |
研究開始時の研究の概要 |
日本のクリティカルケア領域における緩和ケアの現状ならびに医療者の認識を明らかにするために、質問紙調査および面接調査を行う。この調査により、現在どのような緩和ケアがどの程度行われているのか、さらに提供する医療者が緩和ケアをどのように捉えているのかを明らかにすることができる。これらの知見は、今後クリティカルケア領域に緩和ケアを実装していくための取り組みを考察する基礎的資料となりうる。クリティカルケア領域に緩和ケアが導入されることは、患者やその家族がクリティカルケア領域で経験する苦痛の低減につなげることができる。
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研究成果の概要 |
本研究は、クリティカルケア領域で臨床実践している専門看護師および認定看護師を対象に緩和ケアの現状に関する質問紙調査を行った横断研究である。740名の無作為抽出された看護師に質問紙を郵送し、384部(52%)を有効回答として分析した。クリティカルケア領域の看護師は、身体的・心理的・社会的・スピリチュアルな苦痛に対するケアが十分でなく、緩和ケアに関する知識・技術不足があると感じていた。また、疼痛とせん妄を除く症状スクリーニングは十分に実施されておらず、緩和として緩和ケアチームなどの専門的緩和ケアの活用経験率も低かった。さらに、家族カンファレンスへの関与も十分になされていない実態が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国際的に緩和ケアの対象範囲が拡大する中で、日本のクリティカルケア看護における緩和ケアの理解および実践が発展途上であることが明らかとなった。その背景には、クリティカルケアに関わる看護師の知識や技術が不十分であることだけでなく、専門的緩和ケア活用システムのミスマッチや専門的緩和ケアチームとの連携不足などの病院組織や、クリティカルケア領域の慣習などが影響していることも示唆された。今後は、看護師を対象とした教育プログラムの構築や医師との合同ワークショップなど多職種、他領域を交えた教育機会を設ける必要性がある。
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