研究課題/領域番号 |
20K23219
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 (2022) 千葉大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
中村 英輝 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90885534)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 身体症状症 / 認知行動療法 / ICT / 精神保健 / 精神看護 / 遠隔医療 / 医療経済 |
研究開始時の研究の概要 |
身体症状症は、診断や治療の困難さと、それによる医療コストの増加が世界的な問題となっている。過剰な身体症状への捉われによる非適応的な認知や行動パターンが主要症状であり、日常・社会生活を大きく障害する。認知行動療法はそうした身体症状症に対する治療法として、その有効性が示唆されているが、本邦でのエビデンスは不十分である。本研究は、身体症状症に対する遠隔認知行動療法プログラムを開発し、その有効性と実現可能性をシングルアームパイロット試験で明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
3年目となる2023年度は2つの臨床試験に継続して取り組んだ. 1つ目は2021年度に開発した身体症状症を有する対象者向けのインターネット認知行動療法コンテンツの有効性を経済産業研究所と共同で検証した.調査委託会社を通じて募集した慢性緊張型頭痛を有する20歳から50歳の勤労者を対象とし,5634名をWEB上で同意取得後,頭痛障害質問紙(HIT-6)を2週間の間隔で行い,50点以上の頭痛障害を有する等の適格条件に合致した514名をインターネット認知行動療法群(iCBT),心理教育群(PE)の2群に割付けランダム化比較試験を行った.プログラム終了後のiCBT群は,PE群との群間比較で,主要評価(疼痛障害度)では有意差はなく,副次評価項目の身体症状(PHQ-15)が6週時に,頭痛障害(HIT-6)が12週時に有意に減少した.また,両群ともに群内の前後比較で主要評価が介入後に有意に減少し,頭痛症状の改善が示唆された.しかし,待機群や薬物療法群との比較がないため,結果の解釈は慎重にすべきである. 2つ目は身体症状症患者に対する遠隔認知行動療法の実現可能性および有効性をパイロット・シングルアーム試験で検証した.身体症状症と診断を受けた20歳以上60歳までの患者を対象とし,ビデオ会議システムを介した遠隔認知行動療法プログラムを週1回50分を6週間続けて提供する.今年度は学会で本研究のプロトコルを発表した.また,関連診療科,近隣クリニックに被験者募集の協力を依頼し,介入研究を推進した.現在,3名の介入が終了し,6名がエントリー待機をしている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響により,患者リクルートに予想外の時間を要したため.
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今後の研究の推進方策 |
千葉大学医学部附属病院認知行動療法センター,精神神経科,近隣のクリニックと連携しながら被験者リクルートを行い,介入研究を推進していく.介入研究終了後はデータ解析を行い,論文執筆を進めていく.
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