研究課題/領域番号 |
20K23223
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
近田 藍 京都大学, 医学研究科, 助教 (10883647)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アドバンス・ケア・プランニング / 原発性悪性脳腫瘍 / 意思決定支援 / 多職種連携 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性神経膠腫は、認知機能を破壊し、人格をも変化させて、死に至る壊滅的な悪性腫瘍である。患者の意思決定能力や身体機能低下は急速に進行するため、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)を、医療者が早期から支援することは非常に重要である。しかし、悪性 神経膠腫患者への適切なACP支援策は十分に検討されておらず、期待と現実の狭間で苦闘す る患者をケアする看護師は大きなジレンマを抱くことが多い。 本研究では、悪性神経膠腫患者の価値観や意思を尊重した医療・ケアの実現のために、悪性神経膠腫患者の診療・ケアの専門家が考える望ましいACPを明らかにし、看護師主導の多職種連携型ACP支援モデルを検討する。
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研究成果の概要 |
日本のACP文献を対象としたシステマティックレビューにより、日本人の文化的価値観や規範に基づいた ACP の定義と推奨しうるACPの在り方を明らかにした。また、原発性悪性脳腫瘍患者の意思決定を支援する医療専門職(医師、看護師、PT、OT、MSW、薬剤師)によるACPの実態および課題を明らかにするために、21名の医療専門職に半構造化面接調査を実施した。協力者の語りから、臨床現場で患者の意向や価値観を把握するために各職種のエキスパートが工夫している支援内容および早期にコミュニケーション困難となる悪性脳腫瘍患者特有のアプローチの難しさや多職種連携の難しさ等のACP実践の課題に関する重要な知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦では厚生労働省が2018年に人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関す るガイドラインを改訂したが、ACPの具体的支援内容は提示されていない。さらに、他の疾患の経過と大きく異なる原発性悪性脳腫瘍患者や家族に、医療者がどのようにACPを導入し、実践するべきか、十分な知見が得られていない。本研究課題において、原発性悪性脳腫瘍患者の医療やケアに携わる医療専門職が実践するACPの実態・課題を可視化し、日本の文化的価値観や規範に基づいた原発性悪性脳腫瘍患者にふさわしいACP支援策を検討したことは、今後臨床で実装可能な看護師主導の多職種連携型ACP支援モデルを開発する上で重要な手がかりとなる。
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